アウトドアジジ

2分で読める? アウトドアのアクティビティ、道具、自然に関するブログです。

ロッククライミング用カム

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鉄屑?

 

アウトドアのアクティビティで使われる道具はいろいろありますが、関係のない人が見ていちばん不思議に思えるのがこの道具でしょう。釣りやキャンプの道具にも時々意味不明の物がありますが、岩登りで使うこのカム類は一般の人たちには用途不明の鉄屑です。もっとも鉄製ではなくアルミ製で軽量にできているのですが、伝統的な手段で岩登りをする時には必携の道具です。

 

登山やスキーなどアウトドア道具の発達には目を見張るものがありますが、画期的なイノベーションはそうたびたび起きるものではありません。はっきりと調べたことはありませんが2、30年にいちどぐらいでしょうか。古くは登山靴などで広く使われているビブラム製の靴底、最近ではLEDのヘッドランプやGPSディバイスなどです。このクライミング用カム類も岩登りの可能性を革命的に向上させたイノベーティヴな道具なのです。カムを支える軸にある引き金を引くとカムがすぼまり、その状態で岩にある割れ目に差し込んで支点を確保するための道具です。

 

 

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登山に使うロープは安全を確保するためのものですが、多くの人は掴んで登るためのものだと勘違いしています。確かにそういう使い方をする時もあるのですがロープが固定され残置されていることはまれで、誰かが危険を犯して上へロープを伸ばして行かなければなりません。そして、万が一墜落するようなことが起きても墜落距離を最小限に抑えるためにロープを支点に繋げておく必要があるのです。昔は岩に打ち込んだハーケンなどを利用していましたが、今ではほぼすべてのクライマーがカム類を携行して安全を確保しています。

 

安全な支点がすでに用意されているクライミングジムやスポーツクライミングでは使う道具は限られているのですが、登山の手段として行われる伝統的な岩登りでは多くの道具が携行されます。ハーケンやそれを打ち込むためのハンマーなども未だ現役です。多くが金属製の金物で、特にカム類は他に使いみちのないどうしようもない高価な金物です。岩登りに行かなくなったら鉄屑同然で、部屋に飾っても古いスキーやピッケルのようにノスタルジックな装飾品にはなりません。さいわい、私の場合はあとしばらくは山に持ち出す機会があるだろうと期待しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネナシカズラ

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ネナシカズラ


 

自宅周辺の野山を歩くと草木に奇妙な植物がからまっているのをよく見かけます。鮮やかなオレンジ褐色ですが、蕎麦やスパゲッティが無造作にモサッと盛られているようにも見えます。ドッダーと呼ばれるネナシカズラの仲間です。

 

ネナシカズラは寄生植物で日本でも見られます。地面から発芽するのですが、寄生が始まるとすぐに根が枯れて根無しとなります。根無しになると宿主になる植物から養分や水分を吸い取り繁殖するとのことです。カリフォルニアのドッダーにも花が咲いて種もできます。寄生するから光合成の機能も必要ないので葉緑素を持たずオレンジ褐色で遠目にも目立つわけです。アメリカ先住民のクミアイ族は毒蜘蛛の毒抜きにも使っていたそうです。また、鮮やかな黄色の草木染めにも使われることもあるそうです。

 

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ドッダーに触れてみるとこれが柔らかくてしなやかなのです。からまっている様子がやはり麺類を連想してしまうし、絶対に食べられそうな気がしてきます。毒があるとはどこにも書いていないのですが、渋味かなんかがあって食べてもきっと不味いものなのでしょう。ちなみにドッダーが主に寄生しているバックウィートという植物の実(種子)はアメリカインディアンの重要な食料源だったそうです。バックウィートといえば蕎麦のことですから当然ですね。

 

こんな不思議な植物はここだけにしかないだろうと思っていたら、実は日本にもネナシカズラとしてあったわけですが、この日本のネナシカズラ外来種としてアメリカにはびこり問題となっている所もあるそうです。逆にアメリカのドッダーが日本ではびこり、これも問題になっているそうです。いつ頃からこの問題が出てきたのかは分かりませんが、世界がどんどん狭くなるグローバリゼーションの影響でしょう。こういう問題もコロナ渦の後は少しは変化が見られるようになるのでしょうか。

 

残骸

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残骸

 

野山を歩いているといろんな物に出くわします。何時間も登り続けた山腹に飛行機の残骸を見つけたこともあります。自動車の場合はそれほどインパクトは強くないのですが、なぜこんな所にと不思議に思ってしまうのがこの車です。

 

残骸の車は1946年製ダッジの5人乗りクーペだそうです。このハイキング道は車残骸トレイルと名付けられていて、車にはスプレーペイントなんかでお決まりの落書きなんかもされていて人気のコースとなっています。ハロウイーンの頃にも来たことがありますが、その時は骸骨のドライバーが乗っていました。写真がなくて残念です。

 

こういう車の残骸は普通に考えればたいていは谷底にあるべきものです。ところがこの場所は緩やかに広い尾根から谷底に降りて行く斜面の中腹です。谷底からはかなりの距離があります。この山のずっと上の方は平らになっていて海を眺められる住宅地になっていますが、車が転落してくるようなハイウェイがあるわけではありません。運転を誤って谷底に転落というのはありえません。とても不思議で周りの地形を思わず見渡してしまうのです。

 

実はこの車、もうずいぶん昔にいたずら好きの若者たちが山の上から押し落としたものだそうです。当時、海の方から登ってきた道の行き止まりに粗大ゴミなどが捨てられていたのでしょう。廃車を見つけて「面白そうだやってみよう」と意気投合。緩やかで広い尾根をバウンドしながら勢いよく車が落ちていく様子は青春の素晴らしい思い出になったことでしょう。今は多くのハイカーやマウンテンバイカーがこの尾根を登り降りしています。残骸はそこからは見えないので、道標を見逃さないよう注意しなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

登山用リュックサック

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背中計測

 

登山用のリュックサックにはサイズがあるのをご存知でしたか。リュックサックは登山やハイキングに行くときに真っ先に必要となる道具です。もっとも登山やハイキングを本格的に楽しんでいる人たちはリュックなどとは呼ばずにザックと呼ぶ人がほとんどなんですが、最近は S、M、L と異なったサイズが用意されているのが普通なんです。

 

このサイズとはザックの容量ではなく体にフィットするためのサイズです。それは身長ではなくて背中の長さで、写真はその長さを測定しているところです。背中の長さは骨盤の最上部からC7(第7頚椎)までの長さとなります。サイズの合ったザックならヒップベルトがしっかりと骨盤をとらえて重い荷物を支え、背負ベルトもちゃんと両肩に馴染むようになります。大きすぎるものはヒップベルトが下がりすぎて正しい位置に締めることができず、小さいものは妙に両肩が窮屈になったりしてしまいます。

 

もう何十年も昔、初めて大きな荷物を背負って山を登った頃のザックはヒップベルトのないキスリングと呼ばれるものでした。大きなポケットが両脇についた横長の帆布製で今から思えばただの大きな袋でした。そして、ザックのサイズといえばもっぱらその容量のことでした。そのうち岩登り用などにブレを防ぐために腰に細い帯がつくようになって、アメリカのバックパッキングの影響で荷物を支える大型のヒップベルトが縫い付けられたものが普及してきました。今では小型の日帰りハイキング用でも異なったサイズが用意されていることが多いです。

 

ザックを購入するときは専門店でちゃんとサイズを確かめてから買い求めるのがベストですが、測定具を使って出た数値が必ずしも絶対ではないことも覚えておきたいものです。体格によって測定値より小さめ、大きめのものが必要になることもあります。また、男性用と女性用のものもあるので注意してください。サイズや色ばかりではなく背負ベルトなどの形状が違ってきます。ピッタリと体に合ったザックは大荷物でも軽く感じるものですが、選ぶのも面倒で大昔のように肩と背中だけで背負うシンプルなザックが好ましく思えるのも年のせいかも知れませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガラガラヘビ

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ガラガラヘビ

 

ヘビが大嫌いな人は男女を問わずにたくさんいます。筋骨隆々のなんでも平気な男性がヘビだけは絶対に苦手ということも多いです。そんな人が自分の腕ほどもあるようなガラガラヘビに遭遇したらきっと気絶してしまうことでしょう。

 

春先の野山を歩いていると普段は会うことのほとんどないヘビに時間帯によってかなりの数出くわすことがあります。そのほとんどがガラガラヘビです。春先の間、まだ朝晩は少し寒いので爬虫類たちは動かずに物陰でじっとしていて人目に触れることはありません。ところが日が昇って暖かくなるといっせいに日当たりの良いハイキング道に出てきます。夏の季節には元気にガラガラを鳴らすのですが、この時期は気温もまだ低いので動きがかなり緩慢です。タイミングが良ければそろーりそろーりと道を横切るガラガラヘビをなんども目撃することになります。

 

写真のヘビは標高のある山道でトグロを巻いていたものです。じっとしていて微動だにしませんでした。トグロを巻けば少しは温かいのかもしれませんね。もっとも冷血動物は自分で熱を作れないからトグロを巻いても暖かくなるわけではないのでは?ウィキペディアによれば、ミツバチなどは固まって羽を動かすことで巣を温めることができるそうです。種によって体温調節の仕方は様々で、そのため最近では冷血動物ではなく変温動物と呼ぶそうです。

 

ガラガラヘビはかまったり驚かしたりしなければほとんどの場合攻撃してくることはありません。それでも出会ってしまうとあんまり気持ちの良いものではありません。たまにはやたら大きいものも出てくるのでほんとにびっくりしてしまいます。最近遭遇したものは頭を上げて近づいてきたので思わず後ずさりしてしまいました。やっぱり注意が必要なようです。

 

 

 

 

 

 

 

簡易テント?

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簡易テント?


山小屋には泊まらずにキャンプ道具を持ち歩くテント泊の山行では誰でもいちばん軽い装備を選びたいですよね。特にテントはかさばるし、重い装備の代表でした。最近はお金を出せば驚くような軽量テントが手に入るようになりました。

 

学生時代の山岳部で初めて使ったテントはビニロン製のカマボコ型テントです。もう何十年も昔のことです。テントのフレームはなんと竹製でした。山で他大学の山岳部に遭遇すると当時でさえ装備の古さをバカにされたものでした。テント担当者がかつぐのは簡単な個人装備とテントだけです。テントだけで2、30キロの重量があるからです。現在の軽量テントなら2人用で1キロ前後、テクノロジーの進歩には目を見張るものがあります。

 

そんな現在の軽量テントの使い勝手はどうなのでしょうか。1グラムでも軽いほうが消費者にアピールしてよく売れるのでメーカーは必死です。機能や耐久性を無視して軽量化が図られることもあります。雨対策や風対策が犠牲となっていることも多く、3シーズンテントとうたっていても天気の変わりやすい日本の山では不向きな物も多いようです。超軽量のハイテクテントは快適な簡易テントして利用するのが妥当かもしれませんね。

 

とはいえ、2、3泊の山行なら軽量装備で出かけられるようになったのは嬉しいです。日帰り登山で使うような小型バックパック(ザック、リュック)でも十分です。小屋泊まりを避けたい中高年登山者には嬉しい時代となりました。

 

 写真:REI  Quater Dome SL2

 

 

ロードランナー

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ロードランナー

我々の世代が子供の頃はようやくテレビが普及してきた時代で、アメリカの輸入番組がたくさん放送されていました。今や世界一となった日本アニメもまだまだおそまつで、面白くて釘付けになったのはアメリカのアニメ番組です。中でも人気があったのが間抜けなコヨーテが超素早いロードランナーにいつも出し抜かれるルーニーチューンのアニメでした。このアニメキャラクターのモデルとなったのが写真の鳥です。

 

いつもは素早く目の前を走り抜けるロードランナーですが、この日は道端でのんびりとしていました。通りかかった英国人旅行者の老夫婦も「これがアニメキャラクターの鳥か?」などと聞いて感心を示していました。このあたりではかなり頻繁に見かける鳥なのですが、イギリス人にとってもやはりめずらしい鳥なのでしょう。私も初めて見かけたときは少し興奮したものでした。

 

ロードランナーは日本語ではオオミチバシリなどと呼ばれていて、その名のとおり飛び立つようなことはまれで、トカゲなどを追ってもっぱら地面を走り回っています。目尻から後方にある青、白、オレンジのアクセントがちょっと目立って写真よりはもう少しキレイに見える鳥です。アニメではいつもコヨーテを出し抜いていますが、実際はコヨーテが天敵で、2倍の速度で追いつかれ餌食となってしまいます。

 

ガラガラヘビやスコーピオンなども捕食して、棘のあるトカゲなどは 喉を傷つけないよう頭から上手に飲み込んでしまいます。また、ヘビを捕まえるため2羽で協力することもあって、1羽が気を引いている間に他の1羽が素早くヘビの頭を捕えます。捕えた後は仲良く2羽で分け合って食べるのでしょうか。アメリカインディアンのプエブロ族ではロードランナーのX型の足跡が悪霊を近づけない神聖なものとされています。X型ではどちらに進んで行ったのかわからずに、悪霊が追跡できなくなるという伝説からです。

https://www.allaboutbirds.org/guide/Greater_Roadrunner/overview