アウトドアジジ

2分で読める? アウトドアのアクティビティ、道具、自然に関するブログです。

ロッククライミング用カム

f:id:midoriiruka:20200713024459j:plain

鉄屑?

 

アウトドアのアクティビティで使われる道具はいろいろありますが、関係のない人が見ていちばん不思議に思えるのがこの道具でしょう。釣りやキャンプの道具にも時々意味不明の物がありますが、岩登りで使うこのカム類は一般の人たちには用途不明の鉄屑です。もっとも鉄製ではなくアルミ製で軽量にできているのですが、伝統的な手段で岩登りをする時には必携の道具です。

 

登山やスキーなどアウトドア道具の発達には目を見張るものがありますが、画期的なイノベーションはそうたびたび起きるものではありません。はっきりと調べたことはありませんが2、30年にいちどぐらいでしょうか。古くは登山靴などで広く使われているビブラム製の靴底、最近ではLEDのヘッドランプやGPSディバイスなどです。このクライミング用カム類も岩登りの可能性を革命的に向上させたイノベーティヴな道具なのです。カムを支える軸にある引き金を引くとカムがすぼまり、その状態で岩にある割れ目に差し込んで支点を確保するための道具です。

 

 

f:id:midoriiruka:20200713142505j:plain

 

 

登山に使うロープは安全を確保するためのものですが、多くの人は掴んで登るためのものだと勘違いしています。確かにそういう使い方をする時もあるのですがロープが固定され残置されていることはまれで、誰かが危険を犯して上へロープを伸ばして行かなければなりません。そして、万が一墜落するようなことが起きても墜落距離を最小限に抑えるためにロープを支点に繋げておく必要があるのです。昔は岩に打ち込んだハーケンなどを利用していましたが、今ではほぼすべてのクライマーがカム類を携行して安全を確保しています。

 

安全な支点がすでに用意されているクライミングジムやスポーツクライミングでは使う道具は限られているのですが、登山の手段として行われる伝統的な岩登りでは多くの道具が携行されます。ハーケンやそれを打ち込むためのハンマーなども未だ現役です。多くが金属製の金物で、特にカム類は他に使いみちのないどうしようもない高価な金物です。岩登りに行かなくなったら鉄屑同然で、部屋に飾っても古いスキーやピッケルのようにノスタルジックな装飾品にはなりません。さいわい、私の場合はあとしばらくは山に持ち出す機会があるだろうと期待しています。