アウトドアジジ

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落とし物

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山とスマホ


ほんの少し前までは物事のすべてが紙に記録されていました。それがパソコンになり、そしてスマホに進化して、今ではほとんどの作業がスマホで可能となりました。最近はパソコンは持たずにスマホだけで済ます人がほとんどです。スマホには多くの個人情報が記録され、一瞬たりとも手放すことができない超小型携帯パソコンとなってしまいました。

 

登山やハイキングにもスマホを携行するのは当たり前で、行動の途中でそれを紛失してしまえばパニックになるのは当然です。写真の女性は頂上に積み重なる大岩の隙間にスマホを落としてしまい何とか取り戻せないかと奮闘しているところです。下部の大岩は緩く傾斜していて、覗き込むと数メートル先に裏側から回り込める平らな地面を目にすることができます。上部の大岩は2センチほどの隙間で重なっています。彼女の極薄スマホはそこに滑り込んで途中で引っかかっているのです。見えてても手が届かないもどかしさが最悪です。

 

今では山で遭難してもスマホや携帯電話で助けを呼べることも多いです。ただこの女性の場合、山で連絡できない不安というよりはいつも身につけているスマホが手元にないのがパニックの原因なのでしょう。通信機能や個人情報が大切なのは当たり前なのですが、無ければないで大した問題ではないことに気づけないでいるだけです。これだけテクノロジーが発達した現代でもスマホや携帯を使わない人はいるし、つい最近まで山では通信手段がないのが当たり前でした。スマホがなければならないというのはただの習慣なのです。

 

私が頂上に到着した時、居合わせた数人がすでに何十分もこの女性を手助けていました。枯れ枝を使っても届かずほぼ諦めていたところでしたが、ちょうど私が持っていたトレッキングポールが細い隙間に入り込んで何とか彼女のスマホを回収することができました。トレッキングポールはいろいろ使えてスマホよりははるかに便利な物だと再確認することになりました。

 

山の緊急時にはスマホ以外にいつでもヘリコプターを呼べる ココヘリや、衛星回線を通じてSOS発信できるデバイスも普及してきました)