アウトドアジジ

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テレマークスキー

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マイナースポーツ

 

夏もようやく終わりが近づき、秋が来て冬が忍び寄ってくる季節になります。冬の間は雪の少ない南カリフォルニアでスキーばかりやっているのです。スキーばかりといってもシーズン15日も滑れれば良いほうで、これぐらいではちゃんとしたスキーヤーとはいえなし技術もなかなか向上しません。地元、南カリフォルニアのスキー場で滑れるのはだいたい1月から3月上旬くらいまで。悲しいかな、そのほとんどがカチカチの人工雪になります。

 

こちらではサーフィン文化が根強いのでスキー場はスノーボーダーばかり。若者ばかりでなく熟年者も多く見かけます。最近はスキー人口も少しづつ復活してきましたが、それでも8割方はスノーボーダースキーヤーは肩身の狭い状態です。スキーはマイナースポーツ化してしまっているのですが、さらに私が楽しむテレマークスキーはほとんど見かけることがなくマイナー中のマイナーとなっています。

 

写真は何十年も昔のテレマークスキーの様子ですが、足が前後に開いているのが確認できるでしょうか。一般のスキーと違い踵が固定されていないまま斜面を滑り降りるのがテレマークスキーです。スキーの元祖ともいわれるターン方法ですが、日本でもアメリカでも以前はかなりの愛好者がいました。とはいえ、技術習得に時間がかかるし、とっつきにくいので広く普及することはありませんでした。

 

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固定ネジが引き抜かれ曲がってしまったテレマークビンディング

スキーは用具の発達が著しいスポーツです。毎年新しいテクノロジーが導入され新製品が市場を活性化していきます。ところが、テレマークスキーはそういう新製品の開発がここ数年以上まったく進まないばかりか、撤退していくメーカーが続出して市場としてはまさに虫の息です。市場が成長していかなければ単なる停滞ではなく衰退です。悪循環に陥り先細りになって最後は消滅してしまいます。だいいち使っている道具が壊れてしまうとどうしようもありません。SNSの愛好家グループでパーツを探したり、使わなくなった道具を譲ってもらうしかありません。仕方なく限られた商品に妥協して乗り換えることもあります。熱心な愛好家も一般スキー用具の凄まじい発展に翻弄されて浮気をして、ついにはテレマークスキーと離縁してしまうことも少なくありません。

 

それでも、まだまだ熱心なテレマークスキー愛好家が生存し続けているのは事実です。愛好家たちはたまに山で出会うと強烈な親近感を覚え、マイナースポーツ談義に花を咲かせます。こういうニッチな人たちのパワーがかろうじて市場を存続さているのです。私の場合はゲレンデで見かけてもなるべく近寄ることは避けて、一人で黙々と練習を続けます。でも、あと少し体力が衰えてきたら突然に一般スキーに鞍替えするかもしれませんね。