アウトドアジジ

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余市岳

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ゲレンデ山スキー

 

目指しているのは北海道の余市岳です。昨シーズンに古い友人たち数人で滑ってきました。昨シーズンはまれに見る雪不足で営業不能や営業しても数日で閉鎖してしまったスキー場もあったようです。暖冬による雪不足、さらにシーズン後半には新型コロナウイルスの追い打ちで業界には最悪のシーズンとなってしまったようです。とはいっても、さすが北海道。スキーを楽しむには十分な積雪がありました。

 

毎回、スキーに付き合ってくれる友人たちは自分も含めてもうかなりのご高齢で、仲間内では昭和テレマーカーテレマークスキー)の会などと揶揄(やゆ)しております。当然、若者のような体力がないので山スキーバックカントリースキー)も山麓からしっかり登ることはほとんどなく、ゲレンデのリフトを利用したものとなります。そこで問題となってくるのがゲレンデ運営会社との関係です。会社側の事故救助体制や登山者への配慮です。

 

今回はキロロスキー場のリフトを利用して登りました。まずはスキーセンターにあるキロロマウンテンクラブに立ち寄って登山届けを提出しなければなりません。リフト券も購入することになるのですが、下山時にもう一度リフトに乗る必要(キロロスキー場内は歩いて登ることが禁止)があるため6時間券の購入を強要されました。登頂ルートをそのまま戻ればリフトを利用せずに帰れるので、その場合は?と疑問に思ったりしました。しかも、午後3時までに戻らなければ遭難扱いで救助要請とする脅迫まで受けました。もちろん費用は遭難者が負担。ちなみに隣接するもう一つの札幌国際スキー場では入山届のシステム自体(現在は不明)もありませんでした。

 

このような管理体制の強化はスキー場外に出て自然を滑るスキーヤースノーボーダーの増加が大きな引き金となっています。その最大の原因は飛躍的な道具の発達で、多くの人が容易に新雪や深雪を楽しめるようになったためです。人気スキー場では外国人客も倍増し、コミュニケーションの難しさも原因です。道北の小さな町営スキー場ですら外国人客が遭難して対応が大変だったとパトロールの方が語っておりました。昔は管理外でスキーを楽しむ人は冬山経験の豊富な登山者がほとんどでした。近年は経験不足の人たちが管理外へ出て遭難してしまうことも増えて規制が強まり、自己責任で楽しむ自由が制限されることになってしまいました。

 

余市岳に登頂してゲレンデに戻るには北面を滑ることになります。地形がわりと複雑で帰路を探すのも少し面倒です。下山中に迷ってビバーク(緊急野営)をしたという単独スノーボーダーに遭遇しました。携帯で何とか連絡が取れて救助隊の強制出動は免れたそうです。ゲレンデに無事戻りつくと制限時間が近づいてきたのでパトロールに報告すると、パトロール自身がスキーセンターのバックカントリーシステムに不案内なことが判明しました。スキーヤーの自由を制限しながら管理体制に不備があり、午後3時の制限時間はまったくの脅かしなのでした。冬山登山は予備日1日などというのは当たり前で、時間制限なんかあると逆に慌てて遭難してしまいます。

 

最後に、下山中に会った外人女子スキーヤーに帰路トレースの確認をすると「ちゃんと準備してから来なさい」と偉そうにいわれました。もちろん彼女自身も不案内なのか返答はそれだけ。先行者に遅れて付いて行くのに必死でした。昔はこういう人は山には来なかったよね。