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竹林と環境保護

田辺竹雲斎

竹林を目的とした登山やハイキングはあまり一般的ではないようですが、里山の散策などで美しい竹林を楽しんでいる人も少なくはないはずです。竹林は日本の原風景であるばかりではなく、竹のもたらす文化は古来より日本人の生活に深くかかわってきました。四代田辺竹雲斎の作品展示があったので見てきました。

 

 

伝統的な技法を引き継いだ四代田辺竹雲斎は古典的な作品の制作にとどまるばかりではなくモダンなインスタレーション作品も数多く手がけています。今回も展示場のフロア全面を利用した巨大な作品でアート音痴な私でも大きな感動を得たのでした。竹雲斎は黒竹や虎斑竹などの希少な竹を使用して作品を制作していますが、近年は竹林の荒廃などで入手が困難になっているとのことです。

 



興味深いのは虎斑竹保存の歴史で、添付した企業のホームページによれば江戸時代の保護条例が引き金となって現在の天然記念物条例の発布に繋がったとされています。日本では欧米文化のモノマネのような自然公園法が制定されるずっと以前から山林保護、自然保護の思想が根強く育まれていたことが再認識できます。地元に根付いた入会権など古来からの日本独自の慣習が少しづつ崩れ、竹林の保護保全などにも影響が出てきたのではないでしょうか。

 

海外からの評価も高い日本の竹文化、限られた資源で創作活動を続ける四代田辺竹雲斎の作品に触れて日本人の自然保護に対する意識の高さを確認することができました。里山の山林を切り開いて急斜面に設置されるメガソーラー、森林伐採を促進する本末転倒のバイオマス発電など、怪しい新技術に惑わされない日本の伝統的な価値判断を見直していく必要があるのではないでしょうか。

 

www.taketora.co.jp

 

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