アウトドアジジ

2分で読める? アウトドアのアクティビティ、道具、自然に関するブログです。

穂高岳屏風岩

人工登攀ルート

 

上高地から穂高岳を目指し、横尾を過ぎていよいよ涸沢への本格的な登りに差し掛かる頃、左手に大きな岩山が見えてきます。屏風岩です。穂高岳周辺では滝谷、奥又白とならぶ日本を代表する本格的な岩場です。スポーツクライミングやジムクライミングが一般的ではなかった数十年前、岩登りを志す岳人たちの憧れの壁でした。

 

屏風岩はツルツルの一枚岩で、多くのルートは連打された埋め込みボルトにアブミ(小型ハシゴ)をかけ替えて登る人口登攀が主体です。今では道具や技術が発達してどんなに厳しくでも実際に岩をつかんで登るフリークライミングが一般的ですが、当時は困難なルートといえば人口登攀でした。安直なアブミのかけ替えで登るスタイルですが、写真の東稜ルートは高度感も素晴らしく垂直のスラブを楽しく登れたことを覚えています。

 

屏風岩には雲稜ルートという人気ルートもあって、近年になってフリーでも登られています。このルートも核心部はアブミのかけ替えで登る人口登攀です。初登から何十年も経った今でも連打されたボルトは初登時のままのようです。私が登った時も、誰かが堕ちてアブミをかけるリングが伸び切ってしまったもの、リングが完全に抜け落ちてテントの細引きのようなものが結びつけられたものなど、なかなかスリリングでした。古い細引きなどは新しい物に付け替えれば良いのに、それが面倒。体重を乗せるとじんわりとゴム輪のように伸びて怖い思いをしたものでした。ところが東稜ルートのボルトはそこまでひどくはなく、人口登攀の緊張を快適に味わうことができたのでした。

 

前穂高岳4峰 北条新村ルート


当時、岩登りは手ごろな近場の小さな岩場で基礎練習をこなし、北アルプス谷川岳アルパインルートを目指すというのが一般的でした。本番のクライミングは「ホンチャン」などと呼ばれ、究極は厳冬期の岩場をつなぐ継続登攀でした。天候の急変や落石など危険度が高いのがホンチャンクライミングです。とはいえ、体力や神経を使い切るクライミングだから達成感や満足度も充実しています。人口登攀でもその醍醐味は今でも変わりません。

熱中症

水分補給


夏になって気温が上がってくると心配なのが熱中症です。特に私のような年寄りが暑いさなか山歩きなどに出かけたりすればオーバーヒートは必然なようです。若者でも歩いていてどうも力がでない、調子が良くないという時は脱水状態になっていることが多いようです。こまめに水分を摂りましょうというのがやはり第一の対処法です。

 

運動競技では、体重のおよそ1%から2%の水分が失われてしまうとパフォーマンスが大きく低下してしまうというのが定説で、さらに3%を超えるようになると熱中症の危険が大きく高まるとのことです。真夏でも真剣にトレーニングに励んでいる運動選手には、運動前後の体重差で失われた量の1.5倍の水分補給を推奨するコーチもいるそうです。

 

そうはいっても山歩きの途中で体重計測などできる訳がありません。手っ取り早く脱水状態を知る便利な方法は昔からよく行われてきたオシッコのチェックです。オシッコの色が透明もしくは薄い黄色なら大丈夫、色がずいぶんと濃くなってくれば要注意ということです。子供の頃、真剣に遊びまわって真っ黄色のオシッコが出ると「もうすぐ血のションベンが出るぞ」悪ガキから脅されたこともありました。脱水しただけなら血尿が出てしまうことはないようですが、オレンジ色に近づいてきたらほんとに注意が必要です。

 

登山中にこまめに水分補給するのはけっこう難しいのですが、長時間の運動では20分程の間隔で150 から300 ミリリットルの補給が必要だそうです。状況にもよりますがこれはちょっと難しいですよね。それよりももっと簡単にできそうなのが歩き始める前に水分を摂ることです。運動の2、3時間前には400から800ミリリットルの水分を摂取しておくと良いとのことです。私の場合はとにかく歩き始めの1、2時間は積極的に水を飲むようにしていますが、それでもオシッコは黄色くなってしまいます。

 

年寄りになると喉の渇きを感じ取るセンサーの機能が低下したり、抗利尿ホルモンが働きが悪くなったりするそうです。食事や降圧剤など薬の影響もあります。高齢になれば体を動かすのがおっくうになり、トイレに立つのがめんどうなので水分を控えたりしてしまいす。若い時には考えられないような不都合が年寄りの熱中症を引き起こしているようです。とはいえ歳はとっても基礎体力。いずれにしても暑い夏でも積極的に体を動かして鍛えるのが結局は熱中症の予防になると、山遊びの屁理屈を唱えているのでした。

 

 

体温調節を執り行う基本的な体の機能は歳をとってもそれほど大きな変化がないという研究データ*も多いようです。(ラソンで中年ランナーと若年ランナーで体温の上昇率が変わらない、高齢者を対象にした低い強度の運動において体温の上昇が若者と大きな違いがない、砂漠を歩く高齢者が十分に汗をかいて体温の調節を行えることなどの研究があるそうです)

 

 

スズメバチ蟻

ベルベットアント

 

キャンプや山歩きが好きでも虫が大嫌いだという人は多いですよね。日本の夏は特にたくさん昆虫が出てきて嫌いな人たちを悩ませますが、私の居るところは雨がほとんど降らないせいなのか虫もそんなに見かけることはありません。それでも地面を眺めながら退屈な山道などを歩いていると時折り変な虫に出くわすことがあります。

 

先日も鮮やかな赤い毛玉を身に着けた蟻のような昆虫が忙しく歩き回っている出くわしました。この昆虫には以前にも何回か遭遇しているのですが、動きが激しいので写真が上手く撮れないのが残念です。ふわふわの毛玉なので思わず触れてみたくなります。でも赤い鮮やかな色合いは危険信号? とりあえず捕まえて触れることはやめておきました。

 

家に帰ってネットで調べ見るとベルベットアント(蟻)と呼ばれる昆虫であることが分かりました。実はアリではなくワスプ(蜂)の仲間で「牛殺し」の別名もあるようです。触らなくて良かったです。刺されるとかなり痛いそうです。ワスプというのはただのハチというよりもアシナガバチスズメバチのことを指すので、その仲間なら刺されれば激しい痛みは当然ですよね。

 

アリのように地面を忙しく歩き回っているのはメスの方で、オスにはちゃんと翅があってふつうに飛び回っているそうです。そういえばハチのようでハチでないような昆虫が飛んでいるのを見かけたことも何回かありました。きっとベルベットアントのオスに違いありません。

 

興味深いのはその生態で、交尾を終えたメスはジバチなどの巣を探し出し、そこにあるサナギに卵を産み付けます。卵からかえったベルベットアントの幼虫はそのサナギを食べて成虫になります。寄生された側には十分に迷惑な大問題に違いありません。とはいえ、他人の巣を見つけ出し、絶妙なタイミングで他人のサナギに卵を産み付けて種をずっと保存していくなんて、宝くじで何億円を当てるよりもはるかに難しい気がしてしまうのです。ちなみにベルベットアントは種類が多く、「牛殺し」はネブラスカ州辺りによく見られるとのことです。

 

*「牛殺し」はこちらの種のようです。

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山好きの条件

山登りライフスタイル

 

 

表題写真はほとんど人が訪れることがない山頂での風景スナップです。山頂の標識もなければ三角点も見当たりません。いちおう標高は3千メートルを超えるのですが道のないこんな山に登ってくる人はほととんどいません。日本の山なら人気のない藪山ということになります。変人が登る山かもしれません。

 

登ってきた背後にはこの山域の最高峰が臨めます。最高峰なので名が知れているし、シーズンには平日でも多くの人が登ってきます。となりに著名な秀峰があれば誰も登らないのは当たり前でトレイルもつきません。暇にまかせて地図を眺めていなければ自分でもまったく気がつかなかったピークでした。

 

フェイスブックなどで目にする山に関する投稿記事の多くは紀行記事です。「どこどこに行きました、登りました」という記事です。登場するのはやはり人気のある百名山の記録、見飽きたという人も多いかもしれません。それでも中には地方の名の知れない低山や藪山の記事や写真もアップされています。変人ではなく本当の山好きが投稿しているのです。

 

南カリフォルニアの最高峰/サン・ゴルゴーニョ峰

 

まだ学生だった若い頃、卒業した山岳部の先輩に久しぶりに山で出会ったことがありました。「これからは自分の山登りを探したい」と近況を伝えてくれました。当時はキザなことをいう先輩だなと感じたものです。山岳部で厳しい山行を繰り返して有名どころはほとんど登ってしまっているのに、まだ登り足りないということなのか? というよりも、他人には惑わされずに自分の生活に合った楽しい山登り、ライフスタイルとしての登山を探していたのに違いありません。

 

誰も行かない低山や藪山を楽しんでいる人はライフスタイルとして自分の山登りを発見した人です。一年に一度だけ、月に一回だけずっと同じ山を登り続ける人もいます。自分自身がライフスタイルとしての登山を見つけたかどうかは今でも分かりませんが、初めの目的が達成されてしまうと何となく興味ややる気が覚めてしまうのは何でも同じです。人気のある山のはほとんど登りきってしまっているのに、いつまでも山関連のネット記事やユーチューブを楽しみに眺めている人の多くは自分自身の山登りを発見した人に違いありません。

 

*こちらはもう一つの人気峰となります

midoriiruka.hatenablog.com

 

 

 

 

スント9 心拍ベルト

これって本当?

 

運動や睡眠など生活習慣のトラッキングとその管理に便利なのがエクササイズウォッチやスマートウォッチです。それら機能の要となるのが心拍数の測定です。運動量や運動強度、カロリー消費量、疲労度、睡眠の質など、ウエラブルのディバイスで得られる健康データのほとんどが心拍数の測定を基準としています。

 

心拍数の測定に便利なのが光学式の測定機能です。時計の裏側に装備されたLEDで血流を読み取り心拍数を測定するものです。最近ではイヤバッド式の製品もあるようです。時計のように腕につけるものは振動などによって測定値が安定しないことが多いので、胸部に着用して正確に心拍数を測定できるベルト式を最近購入しました。ベルト式は病院で使われる心電図の測定機器と同じ原理で、心臓からの微妙な電位をとらえる仕組みです。

 

運動能力や体力を知る上で重要なのが最大酸素摂取量なのですが、ベルト式を着用して5キロほどのジョッギングを何回かして出た結果が表題の写真です。実は時計にもともと装備されている光学式でも同じような結果が出ていました。還暦をとっくに過ぎて古希に近づいている老人の最大酸素摂取量が41.9 ml/kg/min、体力年齢が37歳となっています。最大酸素摂取量の正確な測定は少なくとも心拍数が上がらなくなる限界まで運動強度を高めていかなければならないので、この結果はあくまでも予測データとなります。

 

ベルト式ならもっと現実的なデータが表れるかとも期待しましたが、過去の記録を見てみるとジョッギング時の平均の心拍数は光学式でもほとんど同じでした。ただやはり所有している時計の光学式では上下動が大きく、運動強度に応じて正確に反応する数値を得ることができません。インターバルトレーニングなど効果的に心肺機能の向上を目指す人や、心臓に何らかの問題をかかえて運動する人などには胸部着用のベルト式がベストなようです。

 

37歳の体力年齢が嬉しいのは当たり前なのですが、年寄りになってしまっているのは現実です。ジョッギング中に調子が良いからとちょっとスピードを上げたりするとすぐに足がツリそうになります。昨年から続く右臀部の鈍痛は治まる気配はありません。何といっても柔軟性の失われた体全体の筋肉の強張りはあらゆる動作を緩慢にしてしまいます。そんなジジイの話は面白くないという若い人は今のうちに元気にしっかりとアウトドアで遊んでおいてください。

 

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岩稜歩き

スクランブリング

 

登山や山歩きの難易度を決定する要因の一つとして岩場の通過があります。ロープを出して確保しながら登るほどは困難ではないものも間違って足を滑らしたりすれば大事故につながる可能性もある危険な難所です。このような難所が続くルートを敢えてたどることをこちらではスクランブリングと呼びます。岩稜歩きのことです。

 

写真は伝統的なロッククライミングで有名な南カリフォルニアのターキッツ上部の岩稜を登りに行った時のものです。クライミングのメインエリアがあまりに素晴らしいので上部の岩稜をわざわざたどってハイキングで上がれる山頂まで行く人はほとんどいません。そのため踏み跡や鎖もなく、日本の山で見られる〇や✕の印も皆無です。ネットで調べても詳しい情報はあまり見つかりませんでした。岩を攀じったり、急なガレ場を横断したり、藪漕ぎをしたりしました。

 

スクランブリングでたどった岩稜、右の大きなドームがクライミングで有名なターキッツ

スクランブリングの面白さは何といってもルートファインディングです。右に行くか左に行くか、直登するか回り込むか、自分でルートを選ばなければなりません。行き詰まって後戻りすることもあります。自分やパーティの技量を見極めて安全に効率よく高度を稼いでいかなければなりません。ロープや細引き、カラビナなど簡単なクライミング道具、もちろん地形図に磁石やGPSなども必携です。淡々とトレイルをたどる一般的な登山やハイキングとは興奮と楽しさが格段に違います。

 

そういうや興奮や楽しさはちょっと危険なルートを選択しているからというよりは、やはり自分自身でルートファインディングをしながら登っていくからでしょう。確かに高度感を味わいながらを快適に岩稜を登っていくことに醍醐味があるのは事実ですが、それ以上に不安な気持ちを抑えながらも選んだルートの正解を信じて前進するルートファインディングの面白みがあるからこそです。

 

日本では槍穂や剣のような険しい山でも梯子や鎖をつかんで○印を追って行けば迷うことはありません。それはそれで楽しい登山となるのですが、やはり自分で探したルートをたどって登頂すれば満足感が違います。いつでも初登頂者の気分に浸ることができます。スクランブリングには添乗員付きのツアー登山などとは明らかに違う興奮と楽しさがあります。

 

 

*ロープを使うスクランブリング入門の動画です。CCで日本語字幕も出るようです。

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古レンズ

キャノン100mmf3.5



キャンプも含めて登山やハイキングの楽しみはいろいろありますが、写真が趣味で山岳風景や花の撮影を目的に山歩きを始めたという人も多いことでしょう。最近ではスマホでもとてもきれいな写真が撮れるのですが、やはり、あちこちいじくり回して撮影の手順を楽しむカメラが嬉しいですよね。

 

この不格好な組合せがたまらない

風景写真などでは細かい描写でどこまでもカチッとシャープな画像が必要なので最新の高性能デジタルカメラやフィルムなら大判カメラが必要でした。ところが古い街角の写真や人物写真などでは今でも個性的な描写が特徴のオールドレンズを好んで使う人も少なくはありません。表題の写真は60年は昔のネジマウントのキャノン製レンズで撮影したものです。ライカ型の距離計カメラ用のレンズなのでとても小型軽量になっています。

 


肝心の描写力はどうかというと、はっきりいって私にはよくわかりません。時にはシャープに、時には柔らかに、発色もボケ具合も好きなのですが、これについていろいろとウンチクを並べる知識はありません。ただフォーカスリングや絞りリングを回すのが楽しいのと、何といっても小型設計であることが気に入っている理由です。小さくても本格一眼レフカメラと同じ撮影感覚が味わえるのです。4/3デジカメに装着すれば登山用にすこぶる便利です。

 

最近は何でもスマホで便利に済ますことができるようになりました。写真もスマホなら撮影から画像の管理まで時間や手間がかかることはありません。ただその分、いろんな事で本来の楽しさが随分と失われてしまったようです。初めてカメラを手にした時、写真好きだった父がレンズの外し方からカメラのかまえ方まで詳しく手ほどきしてくれたことを今でも懐かしく思い起こします。スマホでは親子の交流も途絶えがちになってしまいます。

 

 

*心配だったオリンパスのカメラは別会社となって最近新製品も発売されたようです。

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www.olympus-imaging.jp