
どの世界でも頭デッカチで実践には役立たないという人がいるものです。アウトドア好きのアメリカ人にも結構多くて、ユーチューブや専門書で勉強しすぎて十分に安全と思われる手法に現場でいろいろと口をはさんでくる輩も少なくありません。なるほどと納得して感謝してしまうことも無きにしもあらずですが、大きなお世話ですと不快に思うことがあるのも事実です。情報過多で実践的ではないのです。
ロープを使う岩登りやアルパインの技術には同じ目的にさまざまな手法があります。状況に応じて使い分けるのが大切ですが、いろいろな手法を知っているよりも確実な一つを身につけていることがもっとも大切です。そもそも頭でっかちな人はアメリカ高等教育のあまりにもアカデミックな悪影響を大きく受けているようです。教育や研究の分野では常に奇抜なアイディアが注目され、時には物事の本質を見過ごしてしまうことがあるのです。
後続者を確保するために時間をかけて複雑に支点を繋ぐことより、メインロープ一本で即座に支点を確保することが必要とされることもあります。勉強しすぎでいろいろな手法を知りすぎていることで、時には素早く登ることがもっとも安全であることを忘れてしまっているのです。現場で経験を積んだ登山者ならこんな手法は不必要と判断できることが、頭デッカチでアカデミックな登山者は「そんなやり方は危ないよ」といって口をはさんでくるのです。
興味深いのがユーチューブなどで上がっているイギリスのクライミングハウツウ動画です。アメリカの動画にある手法に比べてはるかにシンプルで実践的な技術です。暇な登山愛好家やアカデミック過ぎる団体がいろいろ考える、時には複雑でバカバカしい手順ではなくて、素早く使えて覚えやすい技術です。勉強のしすぎで情報過多になって応用力を失い実践的な手法が間違って見えてしまうのです。
同じような状況は初心者にも多く見られます。現代ではあまりにも多くの情報にさらされているため酷い思い込みをしている場合があります。不必要な道具をたくさん買い込んだり、ネガティブな情報で不安にかられていつまでも登りたい山に行けないことが起こります。時には何も知らないことが成長につながることを忘れてはなりません。
いろんな情報を知っていることは確かに大切なのですが、先輩から伝承された経験に裏付けされた技術をすべて捨て去るべきではありません。現場で山の大先輩から受ける助言ならなるほどと納得して成長できることも多いのですが、勉強しすぎの頭デッカチでは柔軟な対応が難しくなってしまいます。そしていろいろと他人事に口をはさんでくるのです。





