アウトドアジジ

2分で読める? アウトドアのアクティビティ、道具、自然に関するブログです。

極寒キャンプ

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マイナス15度

 

 

久しぶりに寒い所でキャンプをした時の写真です。マイナス15度から17度くらいの気温でした。日本ではこれぐらいの気温になる冬のキャンプではほとんどの場合雪上キャンプとなりますが、シエラネヴァダ山麓では雪がないのが普通です。乾燥した極寒キャンプとなります。

 

 日本の冬山キャンプでは幕営中にテントの床がボコボコにならないようにまず雪を踏み固めます。ここでは雪がないのでその必要はありません。夏のキャンプのように平らな所を見つけてテントを張るだけです。雪や氷の上ではないので底冷えはあまりないと思うかもしれませんが、地面の冷たさは相当なものです。この時はキャンプ場ではなかったのでトイレなどの設備はありません。用を足す時は地面に穴を掘るのですが完璧に凍っていてかなり苦労します。凍り付いた地面の冷たさはひょっとしたら雪や氷の上より耐え難いかもしれません。断熱効果の高いスリーピングパッドが必要になってきます。

 

すべてが凍り付く極寒キャンプですが、気を抜くといろんな物がびしょ濡れになってしまうのも事実です。日本の冬山では雪も湿っているし湿度も高いし、荒天でテント内で食事の準備をしたりするとあっという間にずぶ濡れになってしまいます。逆にすべて凍っていて気付かずにいるといつの間にか体温で溶けて冷たい思いをしたりします。昔は濡れたものは寝ている間に全て体温で乾かしてしてまう強者のベテラン冬山登山者も たくさんいました。今では装備も発達して濡れにくく乾きやすくなっているので冬山での行動や生活はずいぶんと楽になっているはずです。

 

極寒キャンプでも乾燥した環境なら随分と快適なものだろうと思うかもしれません。それでも寝ている間に吐いた息でテントの内側には霜がびっしりとこびり付いてしまいます。テントが風で揺れたりすると冷たいものが顔に落ちてきます。撤収時にはかじかんだ手で凍り付いたペグを引き抜いたり、霜だらけのテントをたたむ手間は同じです。ただ決定的に日本の冬山と違うのは断続的な厳しい風がないことです。ストームが来て強風が吹くのもせいぜい1日か2日程度で、おおむねよく晴れて夜は星がきれいでただ寒いだけです。

 

近年は温暖化で冬型の気圧配置が何日も続くようなことは少なくなっているようですが、それでもやはり日本の冬山は世界でも最悪の気象条件にあることは間違いありません。そういう環境で雪山に登るわけですから苦労はたくさんあります。冬山ではピッケルやアイゼンの使い方やロープワークばかりではなく、極寒のキャンプを快適に過ごすための高い生活技術が要求されます。最近では車で行って雪上キャンプが楽しめる施設も増えてきたようです。冬山に挑戦したいと思っている人は利用してみて極寒キャンプを経験することをぜひお勧めします。

 

 

 

スマホハイキング

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ハイテク登山

 

近年のテクノロジーの進歩は目まぐるしいものがあります。私は海外に居住しているのですが、移り住んだ当初の日本との連絡手段は手紙か高額な国際電話、ファックスが使えるようになって随分と便利になったと感じたものでした。さらにパソコンが普及して電子メイルとなって日本との距離感がなくなりました。最近はスマホによっていちいちパソコンを立ち上げる必要もなくなりました。登山やハイキングの仕方もテクノロジーの進化で随分と様変わりしてしまったようです。

 

先日、近くの山へハイキングに出かけたところ、写真のような看板が設置されていました。スマホにアプリをダウンロードしてゲームを楽しみながらハイキングをしようというもののようです。どうやらポケモンGOのような仕組みになっていて、ただのゲームアプリというよりはもっとエデュケーショナル(教育的)で子供たちが遊びながら自然を学べるようになっているとのことです。紙にクレヨンで落書きを始める前からスマホタブレットで遊んでいる今の子供たちには嬉しい企画に違いないでしょう。

 

最近、山では紙地図を持参していても開いて確認することが少なくなりました。不案内なコースは愛用しているGPS時計に付いてきた無料アプリの地図をスマホで確認しながら歩くことがほとんどです。スマホの位置情報が地図上に反映して圏外でも問題なく利用できます。さらに、前もって時計にルートをダウンロードしておけばそれに沿って歩くだけです。ルートを間違えれば知らせてくれるし地図を確認する必要もありません。最近のGPS時計には地形図が表示できるものもあり、手持ち式のGPSディバイスを持ち出す人も少なくなったようです。

 

磁北線を引いた地形図と磁石で進行方向を決定するのはもう時代遅れというわけではありませんが、便利なスマホGPS時計が手放せなくなっているのは事実です。スマホタブレットで育った子供たちが紙地図にどれほど興味を持ってくれることでしょうか。ひょっとしたら前述のスマホゲームがどこのハイキングコースでも楽しめるようになって、ハイキングはスマホゲームで遊ぶものとなってしまうかもしれません。それ以上にアウトドアはVR(仮想現実)でインドアで楽しむものとなってしまうかもしれません。

 

最近は温暖化防止や自然保護などの目的でサスティナビリティという言葉をよく耳にするようになりました。そういうことを理由にバーチャルだけで山を楽しむことが強要される時代が来るかもしれません。人が山に入らなければ自然も荒れませんよね。その流れを無視して実際に山に行って遭難したりしたらそれはもう大変な非難を受けることになってしまいます。手軽だ便利だなどいってハイテクにどっぷりと浸かってしまうととんでもないことになってしまいそうです。

 

ピッケルとアイゼン

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古道具

 

 

ピッケルとアイゼン、最近は英語でアイスアックスとクランポンとも呼ばれています。雪山を登るには必須の アイテムで、特にピッケルは登山家の魂などと呼ばれていた時代もありました。最近は鍛造品も少なく、シャフトもアルミ製でただの工業製品となってしまいました。

 

写真のピッケルとアイゼンはもう40年くらい昔のものです。ピッケルの金属部はもちろん鍛造製で先端は非常に薄くて硬い氷でも跳ね返されることはありません。シャフト部は木に合成樹脂を注入したもので劣化は全く見られません。その昔、木製のシャフトにはアマニ油などをしみこませて手入れをしたものです。山行前にアルプスのガイドがピッケルを斜めに立かけて足で踏み込んでシャフトの強度を確かめている映像を見たことがあります。同じことをこの樹脂製のシャフトに試しても何の問題もありませんでした。問題はその重さで最近の軽量ピッケルに慣れるととても山に持ち出す気になれないのは事実です。その一方、アイゼンの方は同じ鍛造製でもかなり軽量で今でも快適に使用することができます。昔の物なのでバンドで登山靴をぐるぐる巻きにしなければなりませんが。

 

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アルミ製軽量ピッケル

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先端は強度の高いステンレス製


ピッケル、アイゼンはもちろんアルピニズムの発祥地である欧州製が本場ですが、昭和の初期には職人たちが工夫を凝らして日本製の道具をつくり始めました。門田や山之内ピッケルは日本の伝統的な刀剣の鍛造技術を受け継いだとても美しい芸術的な山道具となりました。まさに武士の魂ならぬ登山家の魂と呼ぶに相応しいものでした。私が山歩きを始めた高校生のころはまだ市場に出回っていて、オジサンたちはこういうのを使っていたんだと感心したものでした。とはいえ当時でも、もっと機能的な最新式の道具に目が向き骨董品のような道具にはあまり興味はありませんでした。

 

今では職人が手間暇かけてつくっていく製品は製造効率が悪く、安価な中国製などにはとても対抗できません。コンピューターを駆使した設計で高機能で軽量、しかも低価格な道具は市場の原理で古い道具を次々と駆逐していきました。確かに、古い美しい道具にこだわって高価な対価を支払うのには勇気が必要です。後継者や流通など解決しなければならない多くの課題がありますが、できれば職人がつくる日本の伝統的な良いものがリーズナブルな価格で手に入るようになればと願うばかりです。

 

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テントウ虫冬眠

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レイディバグ

 

 

秋が深まった頃、近くの山の渓谷を散策したことがあります。オークの木々が黄色く色づき、道は落ち葉で埋め尽くされています。私が住んでいるのは季節感の少ない地域ですが、山に来れば新緑や紅葉や積雪も楽しむことができます。ふと足元を見るとテントウ虫がうじゃうじゃ。よく見ると岩の上ばかりではなく、流木や灌木にあちこちたくさんで固まっているのを発見しました。

 

冬になると多くのテントウ虫は岩の割れ目などに足を畳んで集団で冬眠をするのですが、この日は温かい日差しを求めて日向に出てきたのでしょうか。春から秋にかけては畑などで活発にアブラムシを食べてくれますが、寒くなってくると日向に固まるようになって不活発になってきます。ところが、本州や北海道の涼しい地域を除いて暑い時期に夏眠する種もあるようで、夏の間は餌が不足するためだそうです。

 

これだけ固まっていると気味が悪く感じるものですが、テントウ虫はもともと益虫です。小さい足でチョコチョコと動く様はやっぱり可愛いし、春先にふらっとテントウ虫が飛んできて袖口などにとまったりするとなぜか嬉しくなってしまいます。英語ではレイディバグと呼ばれていますが、これは聖母マリアさまに由来しているそうです。その昔、害虫の襲来で収穫を危惧した農夫が聖母マリアに祈るとテントウ虫が来て害虫を食べ尽くしてくれたそうです。それ以来、テントウ虫が"beetle of Our Lady."とあがめられてレイディバグと呼ばれようになりました。 

 

色が派手でよく目立つテントウ虫ですが、その派手さが天敵の抑止に役立っています。テントウ虫のあの臭い分泌物は匂いばかりでなく味も最悪で、一度それを経験すると二度とゴメンということになるそうです。天敵の鳥などにとっては良く目立つ警告色ということです。アマゾンの猛毒カエルと同じですね。小さなテントウ虫ですがいろんな習性があって興味がつきません。

 

 

www.youtube.com

www.kihokumo.gsn.ed.jp

 

隠れ名所

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 シンダーコーン

 

雨の少ない南カリフォルニアでは当然緑も少なく地面が露出している砂漠地帯が広がっています。都市部に見られる木々のほとんどは人工的に植えられたもので、一歩都会を出れば山岳地帯を除いて半砂漠状態の荒野となっています。植物に覆い隠されていなので地形がよく分かるのが特徴で、ロサンゼルスから395号線を北にシエラの山々に向かって少し走るとシンダーコーンのすり鉢山が目に入ってきます。フォッシルフォールと呼ばれる395号線のちょっとしたランドマーク地域です。

 

シンダーコーンはまるで昔の炭鉱町にあるぼた山のように人工的な形なのですが、実際は4万年ほど前の火山活動によって出現したものだそうです。マグマやガスの噴出時に堆積した火山灰や火山礫によって形成されているそうです。このあたり一帯はコーソ火山地帯と呼ばれる地域で、火山活動で流れ出した溶岩が渓谷を形作り異様な情景を目にすることができます。渓谷を埋めるボコボコした玄武岩は水と氷で侵食されてツルツルとなめらかにきれいに磨かれています。周辺には簡素なキャンプ場もあって渓谷を散策したり、ちょっとしたロッククライミングも楽しめます。

 

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フォッシルフォールの地学的特徴を考えれば国立公園や国立モニュメントとして指定されても不思議はないのですが渓谷部以外はただの荒野。多々あるアメリカの広大な自然国立公園に比べればその規模の小ささは免れません。日本なら街道脇にあるあまり人の立ち寄らない秘められた名所のようなものです。ただ、それほど多くの人が立ち寄らないことで自然環境が保たれゴミも見当たりません。規制をして環境保全に力を注ぐ必要もなさそうです。国立公園などに指定されると、ただそれだけで注目され多くの人が集まり管理に手間がかかることになってしまいます。かつてモニュメントだったジョシュアツリー国立公園が公園に昇格したことで平日でも観光バスなどが多数訪れ、その静寂さと自由が失われていきました。日本でも懸念される世界遺産弊害とおなじようなものです。

 

キャンプ場にはアメリカでは定番のテーブルとファイヤピットがそれぞれのサイトに設置されています。キャンプサイトに直接車を乗りつけ荷物をおろし静かなキャンプが楽しめます。もちろん予約などは不要です。都会からちょっと離れたあまり人の来ない場所だからできることで、こういうキャンプは普通なら荷物をかついで何時間もバックカントリーを歩かないとかないません。国立公園や国定公園は国や大企業の乱開発を防ぎ末永く貴重な自然を保持していくを目標にしているものですが、できればそういう規制や管理なしで個人個人の努力で実行できれば良いと思います。

 

 

 

 

キャンプ用敷布団

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スリーピングパッド

 

登山やキャンプには目的に応じて様々な道具が必要ですが、同じ目的の道具でもいろんな種類があって購入時に困ってしまうことが多々あります。そんな道具の代表が野外で寝るときに使うスリーピングパッドです。断熱材の種類や性能、サイズや厚さの違いでかなりの種類が販売されています。使う人が期待することも様々で快適さを追求する人、携帯性を重視する人、とにかく耐久性を一番に考える人などいろいろです。

 

 写真のパッドは自分で空気を吹き込んで膨らますタイプですが2インチの厚さなのでコンパクトに収納できます。薄めの断熱材も入っているので雪の上でも何とかなります。スリーピングパッドにはクローズドセルフォーム、エア、セルフインフレーションの3タイプがありますが、断熱材の有無や携帯性などで性能(快適性)が違ってきます。さらに長さや幅の違いもあり、同じメーカーでも多種取り揃えていることが普通です。それぞれ特徴があり種類も多いので初心者の人はほんとに迷ってしまいます。

 

経験を積んだキャンパーやバックパッカー(登山者)なら自分がどういうアクティビティーをするのかよく分かっているし、過去に間違った道具で必ず失敗もしているので、消費者を惑わす販売戦略にうかつに騙されてしまうことはありません。ところが初心者のうちはとにかく軽い物が良いとか、ぐっすりと快眠できる物でなければならないとかいう条件でスリーピングパッドを求めてしまいます。どんな道具でも同じですが、物珍しい新商品に飛びついてしまいがちです。道具に対する期待が大きすぎるし、断片的に氾濫している多くの情報に惑わされてしまいます。ネットのクチコミレヴューを購入の第一条件にしている人も少なくありません。何よりも、テクノロジーが発達した現代なら寒い冬の季節のキャンプでもお金を出せば家の中と同じように快適に過ごせるものと信じている人がとても多いのです。

 

若い頃は冬山のアルパインライミングに憧れて最小限の装備で寒い山にでかけていました。細身のクライミング用ザック(リュックサック)に忍ばせた幅30センチほどのフォームパッドでも氷の上で快適に眠れて、ずいぶん素晴らしい道具ができたものだと感動しました。数ヶ月しか在籍しなかった大学の山岳部の合宿ではキスリングという綿帆布性のザックをテントに敷き詰めて寝たものですが、それに比べれば天地の差でした。もっとも、今から思えばキスリングのスリーピングパッドはそれはそれでシンプルで効率的だったようです。

 

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最近はこいうバルブがほとんどです。


時代は変わって現代の商品には10センチ以上の厚さのあるものからスケルトンだけで寝袋の中に入れるものまで様々です。Rヴァリューという断熱効果を示す値も多くの製品で表示されているので一応の購入目安にもなります。主素材はもちろん、バルブの形状を改良したり、膨らます時に使うポンプやサックを同梱したり、メーカー間での新商品開発の競争も激しく益々消費者が混乱してしまいます。こんなことは無理でしょうが、最良の解決策は全部購入して自分で使ってみるのが一番ですね。

 

outdoorgearzine.com

ロックアート

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ラクガキ

 

 

我々が子供の頃のラクガキは塀にヘノヘノモヘジや相合い傘を書くくらいでした。最近では公共物にスプレーペイントで意味不明の大きなラクガキが横行し大変な迷惑になっています。中にはかなり芸術性の高いものもあるのですが、ほとんどが所有者の意思を無視した破壊行為です。こちらでは自然の中にもそういうラクガキが時どき目につきます。

 

日本に比べると植物が少なく露出した大岩がよく目立つカリフォルニアですが、想像力たくましくラクガキされた大岩が道路脇などに横たわっていることがあります。動物や何かのキャラークターを模したものが多く、思わず笑ってしまうものも少なくありません。失敗作はほとんど見かけないのでそれなりに入念に手をつけたもでしょう。そういう大岩のラクガキは自分が所有している土地か、誰もが気にかけない道路脇の荒れ地にあるもので、さすがに国立公園の中などでは見ることがありません。ジョシュアツリー国立公園などでは巨大な人面岩などはあちこちあるのでちゃんと管理されていなかったらたいへんなことになっていたに違いありません。

 

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スプレーペイントを使ったアメリカ都市部のラクガキはもともと不良集団であるギャング達が縄張りを誇示するためのもので、自分たちにしか分からない文字や記号を記したものです。日本なら暴力的で破壊的な暴走族のようなものですが銃器で武装しているのでその問題は深刻です。新参者の度胸試しで片側6車線や8車線もある高速道路の案内板によじ登ってラクガキすることもあります。以前はラクガキによって案内板の文字が隠れたりしていて迷惑この上もなかったものですが、今では対策も施され世間の目も厳しくなったのでだいぶ改善されてきました。

 

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ニューヨークの地下鉄などはかつてほとんど全ての車両がラクガキされていました。近年は行政と市民の社会的な努力でかなり改善されたようです。バンクシーのように評価された芸術家ならどこでもラクガキできるのか言えばそうではなく、所有者の認可はもちろん、それを目にする大衆の意思も尊重されなけれならないでしょう。いずれにしても無法なラクガキの横行はその国の民度の低さをはっきりと表してしまいます。外国の悪い流行をカッコイイと真似をして人々に迷惑をかけてしまうような行為は残念で恥ずかしいですよね。

 

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最近行ったらさらに落書きが増えていました。上写真と同じ場所。