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ヨセミテのハーフドーム

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初心者ルートと上級者ルート

 

山に登る時にどのルートから登るのかでその山の印象もずいぶんと変わってきてしまうものです。同じ頂上でも歩いて自力で登ってきた時と、車やロープウェイで上がってきたのでは満足度も大きく違ってきます。同じように、登りやすい初心者ルートと困難な上級者ルートでも達成感に違いを感じるのは人情でしょう。

 

数年前にヨセミテのハーフドームを登りに行きました。エル・カピタンと共にヨセミテの象徴的な岩山なので知らない人はまずいないでしょう。夏のシーズンには頂上からケーブルが張られ踏み板を頼って容易に頂上に登りつくことができます。私たちが行った時はすでにシーズンが終了していてケーブルは降ろされていましたが反対側のクライミングルートから頂上に立ちました。このルートは本格的なロッククライミングの技術が必要とされる上級者ルート、一方ケーブルルートは誰でも登れる初心者ルート(一般ルート)ということになります。ようやく頂上にたどり着いた時には大きな満足感を得ることができました。

 

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ケーブルが降ろされた一般ルートを下る


山を登る多くの人たちの中に、本格的に登山をしている人たちとマイペースで自分の山歩きを楽しんでいる人たちとの間で大きな隔たりを感じている人もいるのではないでしょうか。上級者ルートを登ってきた人が初級者ルートをたどってきた人に誇らしく自慢話を聞かせたり、逆に初級者ルートしか行けない人がそれをうらやんだり、ねたんだり。同じ山を登る人たちの間で知らない間にいくつかの階層が出来上がっているのかもしれません。とはいえ、私たちがハーフドームで大きな満足感を得たのは上級者ルートを登ってきたからではありません。単純に面白いルートを登ってきたからです。容易なケーブルルートを登ってきた人たちでも同じように大きな満足感を得たことでしょう。上級者が初級者を見下したり、初級者が上級者をうらやんだり、ねたんだりするのはまったく無意味なことなのです。

 

私たちが登ったハーフドームのルートはヨセミテの数ある岩登りルートの中でもかなり難易度の低いものです。ハイキングしかしない人には超上級者ルートでも、クライミングをする人にとっては超初級者ルートとなります。クライミングのベテランにはつまらない達成感の得られないルートと思われてしまいそうですが、そういう人たちでも十分に満足してしまうのがこのルートで、そういうルートが名ルート(クラシックルート)となるわけです。山歩きの初級者コースでもそのような名コースはたくさんあるわけで、上級者向けだから偉いということはないのです。