アウトドアジジ

2分で読める? アウトドアのアクティビティ、道具、自然に関するブログです。

登山教室

f:id:midoriiruka:20200722012158j:plain

安全のための技術

 

ロッククライミングの技術を習う初心者向け講習会のヒトコマです。写真は参加者の一部で、たくさんの人が楽しくクライミングの技術を勉強しました。全員ヘルメット姿です。最近は自転車やスキーなど多くのスポーツでヘルメットをかぶるようになりました。クライミングも例外ではありません。 

 

特定のスポーツでヘルメットの着用が必要とされるのは、そのスポーツが大きな危険を伴うからです。登山やロッククライミングでは落石や転落の可能性があるためです。クライミングの技術はもちろん登るための技術ですが、それは安全のための技術でもあります。ロープの結び方から始まってパートナーの墜落をどう食い止めるか、道具の発達に伴い使われる技術も随分と変化してきました。習うことがたくさんありすぎて講習会に参加しただけでは不安で諦めてしまう人も多いです。

 

f:id:midoriiruka:20200729101031j:plain


日本では山岳会や山岳部に入って先輩たちから登山技術を習うのが慣例でしたが、最近ではクライミングジムやプロガイドの教室で効率的に技術を習得していく人たちも増えてきました。残念なのは昔の技術がそのままの慣習でずっと伝えられたり、新しい安全な技術も多岐にわたるので混乱してしまうことです。クライミングや登山の講習会でも内容が少しづつ違ってくることがよくあるようです。

 

こちらアメリカでは AMGA ( American Mountain Guide Association ) がしっかりとした技術の統一を目指し安心して登山技術が学べるようになっています。それでもガイドがお客さんを連れて安全に登山やクライミングをする場合の技術と、個人が効率的に登っていくための技術には違いがあるのも事実です。それらが混同してしまうと登山中に口論になったりして不快な思いをしたりすることもあります。現場で使われる技術は経験や環境などによって変わり、安全の基本が保たれていれば絶対にこうしなければならないということがないのです。アメリカやイギリス、フランスや日本など、それぞれの国で少しづつ現場で使われる技術が違ってくるのはそのためです。

 

安全に楽しむことが登山やクライミングの大前提です。自分の持っている体力や技術の範囲をわきまえ経験を積んでステップアップしていくことが大切です。そして、ある程度自信がついてきたら人に頼らない登山やクライミングを実践していくことでさらに面白みが倍増します。教科書の理論などにはあまりしつこく執着しないで、時にはほんの少しでも無茶をして困難に挑戦することも登山やクライミングの醍醐味であることを忘れないでおきたいものです。