アウトドアジジ

2分で読める? アウトドアのアクティビティ、道具、自然に関するブログです。

ザリガニ釣り

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自然と遊ぶ

 

 

近郊の山にハイキングに行ったときです。道はずっと平らで、苦しい思いをして挑戦するというような山行とは無縁ののんびりした山歩きでした。こういうときは景色をあちこち見回したり、生き物がどこかに潜んでいないかと観察能力が高まるものです。ふと足元を見ると面白い形の木の皮が落ちていました。拾って仮面のように顔にあててみると楽しい写真が撮れました。この歳になって子供の頃の外遊びを思い起こしました。

 

子供の頃は田舎に住んでいたので自然を相手にいろんな遊び方を近所の悪ガキたちから習いました。お金を出して遊び道具を買い求めるということはほとんどありません。そこらへんで拾ったものを工夫して加工したり、そのまま使って遊んでいました。拾った針金で輪っかをつくり棒にくくりつけて虫取り網を作りました。アミの部分は軒下の蜘蛛の巣を輪っかにたくさんからめて代用します。夏の夜遊びには懐中電灯が必須ですが、田舎の子供には高価なので廃材でカンテラを作り中にロウソクを灯します。冬の寒い朝、焚き火をして手頃な石を温めて古新聞でくるんでカイロがわりに懐に入れて学校へ行きました。

 

想い出深いのがザリガニ釣りです。餌はカエルです。スルメなんかはみんなですぐに食べてしまったし、だいいちスルメじゃ上手に釣れません。まず、田んぼの畦道を跳ね回っているカエルを素手で捕まえます。なかなか敏捷なんでちょっとコツが必要です。捕まえたら地面に叩きつけて殺します。今から思えば残酷ですが、ザリガニ釣りに興奮していて可愛そうだなんて微塵にも思いません。さらに残酷に、捕えたカエルの後ろ足のヒレから皮を剥いて丸裸にします。これにタコ糸を縛り付けてザリガニが潜んでいそうな所に垂らします。多いときには5匹ぐらいいっぺんに釣れることもありました。

 

子供時代の楽しい遊びは豊かな自然があったからですよね。今では子どもたちがキャンプに行くときは大人が高性能の道具を買い与えます。キャンプ用品から、アウトドアの衣料、遊び道具まで、子供用に特化したさまざまな商品が販売されています。最新の山道具や大人向けのキャンプ用品も同じですが、ほとんどの商品はあれば便利だというだけです。別になくても大問題ではなくて、すでに持っているもの、現地で調達したものでも十分に事足ります。

 

通販のザリガニ釣りセットよりはカエルにタコ糸の方が面白いのは確かです。子どもたちはカエルを地面に叩きつけて命の大切さを理解できるかもしれません。お店やネットで手に入れたものはどうやら子どもたちの想像力を衰退させてしまっているようです。自然に触れるのが遠のいてちょっと悲しい今の子どもたちです。それでも、転がっていた木の皮を顔にあてれば大笑いしてはしゃぎまわることでしょう。大人でも楽しいんだから。子どもたちにはいろんな工夫を凝らして自然の中でしっかりと遊んでもらいたものです。