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侵略

人と社会の生態系

 

交通の発達で人も物も自由に簡単に世界中の行き来が可能になりました。動物や植物も意図的にあるいは偶発的に侵入してきて侵略的外来種として本来あるべき生態系に悪影響を及ぼしています。私達は神経質に動植物の侵入を警戒するのですが、人の侵入に関してはきわめて無頓着でグローバル化ダイバーシティの名のもとで人の生態系(伝統や文化)が危ぶまれてきています。

 

 環境省のホームページでは外来種による生態系の悪影響として「捕食」「競合」「遺伝的撹乱」の三点を上げています。「捕食」とは外来種が在来種を食べること、「競合」とは在来種の生息や生育環境を脅かしたり餌の奪い合いをすること、「遺伝的撹乱」とは在来種と交雑して雑種をつくることです。このような悪影響を及ぼす外来種を侵略的外来種と呼んでいます。

 

興味深いのは同様のことが過度の国際化や移民政策によって人や社会の場合でも起こりうることです。「捕食」では経済的支配でグローバルな巨大企業が在来のマーケットを食い尽くしてしまうことになり、「競合」では本来守るべき固有の伝統や文化が単一的な国際基準の拡大によってその価値が徐々に失われていってしまうこと、「遺伝的撹乱」ではまさに交配が繰り返され民族の純粋な血統が失われていくことです。そしてこのような悪影響は人の場合は静かに穏やかに進んでいくのではなく、混乱を伴い摩擦を生み出していくのです。

 

侵略的外来種による被害を防ぐ手段として「入れない」「捨てない」「広げない」の三原則が上げられています。悪影響のある外来種を非分布域へ入れない。飼育、栽培している外来種を適切に管理して投棄しない。すでに非分布域にある外来種を広げない。これらの手段で被害拡散の抑制が可能になるということです。

 

人の場合は「入れない」原則に基づいても、労働人口が減っていけば移民制度の導入はやむを得ないかもしれません。「捨てない」原則で住み着いた外国人を管理しようとしても、人権の侵害と誤解されることもあります。「広げない」原則でも、大きなコミュニティを形成した外国人には自治権を行使する権利があるかもしれません。「入れない」「捨てない」「広げない」の三原則は人や社会の場合にはその運用に大きな課題と困難がともなうのです。

 

「入れない」ことが最も有効なのですが、グローバル化が急進する現代では江戸時代のような鎖国政策に逆戻りすることはできません。人々は全てにおいて安くて便利な物を追求し、それはよく売れて儲かるものです。ですから知らない間に侵略的外来種に取り込まれていってしまいます。大切なのは守るべき固有の文化や伝統が存在することを忘れないことです。環境や人権、はたまた民主主義などという甘い言葉に惑わされているうちに人や社会の生態系が破壊されてしまいます。

 

侵略的な外来種 | 日本の外来種対策 | 外来生物法

 

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