アウトドアジジ

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泥沼トレイル

雨中雨後禁止


私の住むところはあまり雨が降らないのですが、冬にになると時々まとまった雨が降ることがあります。家の近くの自然公園などでは雨が降ると数日間にわたってトレイルが立入禁止になってハイキングができなくなってしまいます。ハイカーの安全と自然保護のための規制です。

 

山岳部では砂礫など水はけが比較的良いので閉鎖されることは少ないのですが、都市部の自然公園などでは粘土質の土壌が多くぬかるんで歩くのが困難になります。ハイカーが水たまりを避けて道脇を通行すれば植生が後退してしてトレイルの道幅がどんどん広がってしまいます。小川も増水して危険な状態になることも考えられます。そのような理由からまとまった雨が降った後の数日間はトレイルが閉鎖されてしまいます。

 

いかにも正当な理由で規制が行われているように思えますが、全てのトレイルがそういう問題に直面しているわけではないし、降雨中や降雨後にトレイルが破壊されるほどたくさんのハイカーが利用するとも思えません。だいいちドロドロのぬかるみを一度でも経験すればしばらくは我慢しようということになるのです。そしてハイキング好きのコミュニティでその事が常識化しローカルルールとして広まるはずです。デベロッパーの大規模開発は自然破壊を容認して認可するのに、公園の利用者には自然保護や安全性を理由に規制をかけています。

 

日本の人には想像するのが少し難しいかもしれませんが、雨が降らない所にずっと住んでいると雨天気がほんとに珍しく好きになってしまうものです。雨に濡れながら散歩やジョギングを楽しむ人も多く、ほんの少しの雨でも風景が一変するので人々の心が浮き立っているようにも見えるのです。日本から移り住んできた当初はこういう様子はまったく理解できなかったのですが、何十年も暮らしていると確かに雨が恋しくなってしまうのです。所々に水たまりのできたトレイルを歩いてみたくなるのです。

 

そういう些細な楽しみが責任逃れや管理費削減のために奪われてしまっています。確かに泥道は歩けないのですが、歩きたい人は何時でもどうぞという自由が大切なのです。閉鎖されたトレイルはレインジャーが大きなトラックで見回って最終確認してから開放されます。トレイルにはトラックの大きな輪だちが残りそのまま乾燥して歩きにくくなってしまいます。