アウトドアジジ

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チェーンスパイクと登山靴

正しい道具

 

ちょっとした雪の山道などで便利なのがチェーンスパイクです。こちらではマイクロスパイクと呼ばれ、代表的なブランド名でそのまま呼ばれています。さて、問題なのはその使い道です。これがあればどんな雪山でも登れると考えている人があまりに多いのです。雪山に親しみのない南カリフォルニアでの話です。

 

日本では昔から多くの人達が雪山、冬山登山を楽しんできました。そして登山といえば当然、山頂を目指すことです。ところが北米の場合は山頂を迂回するトレイルを歩き回るハイキングやバックパックキングが一般的です。登山とハイキングの棲み分けがはっきりとしていています。登山をする人はごく一部で、ほとんどの人達が専門的な登山用具に対する知識に乏しく、正しい道具選びができません。

 

雪山ならマイクロスパイク、何処でも登れると思ったマイクロスパイクを試してみれば安心して歩けないことも多い。そこで「やっぱりアイゼンだ」と言って、トレランシューズやハイキングシューズにアイゼンを履こうとするのです。日本では運動靴のようにふにゃふにゃの靴に装着したアイゼンが役立たないことは多くのハイカーが知っていますし、そもそもしっかりと装着できません。こちらではアイゼンの前に登山靴 (アルパインブーツ) という山の常識が初めから欠けています。

 

「登山靴が必要です」という当たり前の注意書き

 

先日登った春山ではグサグサに腐った雪の下降でした。所どころ岩やザレが出てきたのでアイゼンを外すことにしました。まだまだ雪の急斜面は残っていましたが柔らかい春の雪でしたので登山靴だけで安全に軽快に素早く下山することができました。トレッキングシューズにマイクロスパイクの登山者はキックステップの技術も知らずソロソロと超慎重に下山していました。

 

近年はさまざまな道具が市場にあふれ、それぞれの道具が特定の条件に最適化されように作られています。言い換えれば、かなり限定的な道具が増えてきているということです。軽量で快適なマイクロスパイクやトレランシューズは昔はなかった素晴らしい道具ですが、使える場所が限られていることを忘れてはなりません。もちろんその限定的な使用範囲も経験と体力によっては大幅に拡大できることも事実なのですが。