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極寒キャンプ

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マイナス15度

 

 

久しぶりに寒い所でキャンプをした時の写真です。マイナス15度から17度くらいの気温でした。日本ではこれぐらいの気温になる冬のキャンプではほとんどの場合雪上キャンプとなりますが、シエラネヴァダ山麓では雪がないのが普通です。乾燥した極寒キャンプとなります。

 

 日本の冬山キャンプでは幕営中にテントの床がボコボコにならないようにまず雪を踏み固めます。ここでは雪がないのでその必要はありません。夏のキャンプのように平らな所を見つけてテントを張るだけです。雪や氷の上ではないので底冷えはあまりないと思うかもしれませんが、地面の冷たさは相当なものです。この時はキャンプ場ではなかったのでトイレなどの設備はありません。用を足す時は地面に穴を掘るのですが完璧に凍っていてかなり苦労します。凍り付いた地面の冷たさはひょっとしたら雪や氷の上より耐え難いかもしれません。断熱効果の高いスリーピングパッドが必要になってきます。

 

すべてが凍り付く極寒キャンプですが、気を抜くといろんな物がびしょ濡れになってしまうのも事実です。日本の冬山では雪も湿っているし湿度も高いし、荒天でテント内で食事の準備をしたりするとあっという間にずぶ濡れになってしまいます。逆にすべて凍っていて気付かずにいるといつの間にか体温で溶けて冷たい思いをしたりします。昔は濡れたものは寝ている間に全て体温で乾かしてしてまう強者のベテラン冬山登山者も たくさんいました。今では装備も発達して濡れにくく乾きやすくなっているので冬山での行動や生活はずいぶんと楽になっているはずです。

 

極寒キャンプでも乾燥した環境なら随分と快適なものだろうと思うかもしれません。それでも寝ている間に吐いた息でテントの内側には霜がびっしりとこびり付いてしまいます。テントが風で揺れたりすると冷たいものが顔に落ちてきます。撤収時にはかじかんだ手で凍り付いたペグを引き抜いたり、霜だらけのテントをたたむ手間は同じです。ただ決定的に日本の冬山と違うのは断続的な厳しい風がないことです。ストームが来て強風が吹くのもせいぜい1日か2日程度で、おおむねよく晴れて夜は星がきれいでただ寒いだけです。

 

近年は温暖化で冬型の気圧配置が何日も続くようなことは少なくなっているようですが、それでもやはり日本の冬山は世界でも最悪の気象条件にあることは間違いありません。そういう環境で雪山に登るわけですから苦労はたくさんあります。冬山ではピッケルやアイゼンの使い方やロープワークばかりではなく、極寒のキャンプを快適に過ごすための高い生活技術が要求されます。最近では車で行って雪上キャンプが楽しめる施設も増えてきたようです。冬山に挑戦したいと思っている人は利用してみて極寒キャンプを経験することをぜひお勧めします。