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登山用ゲーター

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ゲーター、スパッツ、それとも脚絆?

ハイキングやトレイルランニングをしていて小石などがシューズに入り込んで困った人も多いことでしょう。面倒くさがり屋の私はそのまま行くか、立ち止まって靴を脱ぐかいつも悩みながら行動を続けてしまいます。うまくいけば入り込んだ小石が靴の中で移動してまったく気にならなく場合もありますが、結局は小石が入り込まないように行動前に万全の対策をするのが一番です。ゲーター(スパッツ)の着用がもっとも効果的なようです。

 

ご存じのようにゲーターは雪山では欠かせない道具です。昔はスパッツと呼ばれていましたが女性用のレギンスがスパッツとも呼ばれていることもあって、区別するために最近ではゲーターという言葉も使われるようになりました。ゲーターとは旧大日本帝国陸軍も採用していたゲートル(脚絆)のことで下肢の保護に大切な装備です。製造業や林業の分野で働く人たちにも有用で、特に鋳造工場などでは溶けて飛び散る金属から下肢を守るために革製のゲーターを着用することがあるそうです。冬山では保温効果の向上にも一役買っていることはいうまでもありません。

 

最近ではベルクロ式のものがほとんどですが、以前はファスナーで着脱するものが一般的でした。当時多くのものが下部よりファスナーを上げて装着していましたが、靴紐を締め直したりするには不便でファスナーを全開にして作業する必要がありました。あるプロショップでは画期的に上部よりファスナーを閉めるスグレモノのゲーターを発売していたことがありました。私が購入したものは今でも健在で、ときどき引っ張り出して使用することがあります。ベルクロ式は確かに便利なのですが雪が付着して凍り付いたりすると使えなくなるのが難点です。

 

私が山歩きを始めた何十年も昔の高校生頃は、登山靴の性能もいまいちでゲーターの代わりにオーバーブーツを使っている人もたくさんいました。オーバーブーツは布バケツのようなもので、登山靴を履いた足を突っ込んで紐で編み上げて着用します。確かに暖かいのですが靴底も覆われてしまうので必ずアイゼンやワカンと併用しなければなりません。ゲーターも初期のものはただの筒で登山靴を履く前に着用しなければならないものもありました。ミレー社のゲーターには素材も帆布製の筒型があってそのシンプルさに憧れていました。

 

今ではローカットのハイキングシューズやトレイルランナーで山道を歩く人も多くなりました。よく整備された登山道なら確かに快適で疲れも少ないようです。捻挫の予防など足首の保護ならくるぶしをしっかりと覆う登山靴がやはり安心で、ローカットの短靴には不安を覚える人も少なくはありません。それでも絶対に短靴という人にはぜひ是非ゲーターの使用をお勧めします。もちろん足首をしっかりとサポートしてくれる訳ではありませんが、写真のような頼りない超軽量のトレランゲーターでも一度装着するとかなりの安心感が得られます。少なくとも乾燥した石や砂が露出した路面では効果は絶大です。泥道でも効果が期待できます。都会ではまったく使用する機会のないゲーターですが雪山ばかりではなくトレランや低山ハイキングなどにももっと積極的に使いたい装備のひとつです。