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オリンピアン城戸俊三

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ルビドウ山

 

ロサンゼルスの東、リバーサイド市にあるルビドウ山は400メートルほどの小山です。頂上には大きな十字架があってフリーウエイからも確認できます。一方通行の自動車道が通じていて以前は車で上ってこれましたが、現在はその車道がそのまま遊歩道となっています。ダウンタウンにも近いので毎日多くの市民が登ってきます。頂上のすぐ近くには世界平和の橋というのがあって、そこにある日本人の偉業をたたえたレリーフが埋め込まれています。

 

そのレリーフには「情けは武士の道」としっかりと日本語で刻まれています。よく目立つので面倒な英文にもつい目が行ってしまします。そこには城戸俊三が1932年のロサンゼルス五輪の馬術クロスカントリー競技で完走を目前に愛馬の体調をかばいレースを棄権したことが刻まれています。オリンピックの栄光より愛馬へのいたわり、リバーサイド市の動物愛護協会が俊三の愛馬への慈悲をたたえて寄贈したものです。ムチを打ち続ければ愛馬が死んでもゴールできたであろうレースを諦め、馬を降り愛馬の検討をたたえた様子は審判員ももらい泣きしたそうです。https://mainichi.jp/articles/20191224/mog/00m/050/003000c

 

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ところで、頂上にある巨大十字架はカリフォルニアの開拓期に活躍した宣教師フニペロ・セラにちなんだものです。彼はイエズス会を模倣した残虐な宣教活動で非難を浴びることも多く、最近でもスプレーペイントなどで抗議メッセージが大きくいたずら書きされたりしました。BLMなどの人権人種運動家などには絶好の標的になっているようです。

 

宗教的な意味合いが強いルビドウ山ですが、山全体に花崗岩の大岩が散在していてロッククライミングの練習に最適です。以前は初心者が岩登りを初めて体験できる手頃な場所でしたが、最近ではジムで腕を上げた若者たちが自然の岩に挑戦するボルダリングのエリアとして人気があります。私の場合、冬の間はスキーばかりしているので、ご無沙汰したクライミングの感覚を取り戻すには最適の場所になっています。

 

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もうだいぶ昔のことですが、ルビドウ山のあのレリーフを日本で発見したことがあります。東京のデパートで行われていたオリンピックの展示会場でのことでした。「何でここに」とちょっと驚いてしまったのですが、そういえば世界平和の橋から剥がされてしまっていたことを思い起こしました。「情けは武士の道」慈悲深い日本人の優しさをたたえるレリーフが日米間を行き交い人々に感動を与えてくれます。今ではまた同じ世界平和の橋に戻されて城戸俊三の偉業が讃えられています。俊三の愛馬精神が日本人の優しさを代表して多くのリバーサイド市民に伝え続けられています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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