アウトドアジジ

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救助用搬出カゴ

便利なテクノロジー



先日、ハイキングに出かけたのですが、登山口に向かう最後の道路が通行止めになっていました。しかたなく他の所へ予定を変更。幸いよく通ったクライミングエリアの近くだったので久しぶりにちょっと行ってみようということになりました。そこには30年以上も前に初めて訪れた時に見かけた救助用の搬出カゴが昔と同じように立木に結び付けられていました。

 

おそらくそのカゴは私が初めて目にした頃よりずっと以前からそこに設置されていたに違いありません。実際に使われたことがあるのかは不明ですがテクノロジーが発達した今の時代、これから使われることはまずないでしょう。スマホで救助を要請しヘリコプターでピックアップというのが当たり前です。誰かが救助を呼びに山を駆け下り、他の人が応急処置をほどこす。頭数があればカゴに遭難者を乗せて自分たちだけで運び下ろす。過去にはそういう流れが普通でした。携帯電話がなかった昔の話です。

 

有名なターキッツの対岸にある自殺岩

最近ではスマホの電波が届かなくても世界中どこでも通信衛星を経由して救助要請ができるディバイスも普及して、日本ではココヘリなどの格安な救助システムも人気です。最新のアイフォンでは緊急時に衛星に電波をとばせる機能もあります。将来的にはスマホの通信は衛星経由が普通になって世界中どこでもどんな僻地でもインターネット接続や通話が可能になりそうです。

 

自殺岩頂上よりターキッツ

衛星デバイスを購入する人たちの大きな動機は下界と同じように家族や友人とテキストメッセージを交換したいというものです。もちろん緊急時にSOSシグナルも送信することもできます。疲れて歩きたくないからヘリを呼ぼうというのは問題外ですが、ごく最近までは山に行けば連絡が途絶えるのは当たり前でした。だからいろんな準備をちゃんとしたし、冒険への期待も高まったものでした。救助用の搬送カゴを使う必要がなくなったのは嬉しいのですが、何となく山の面白みが失われてしまったような気もするのです。

 

 

*改めてこのビデオを見てみたら最後に同じような締めくくりになっていました。テクノロジーの便利さと安心が気になるのは贅沢な現代人の悩みかもしれませんね。

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