アウトドアジジ

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登山でケンカ

大切な山友達


年寄りになると人付き合いがおっくうになってきて、山に行くにも一人が便利という人が多いようです。友人と予定を調整したり、待ち合わせ場所や時間を決めるのも面倒になってきます。とはいえ、やはり気の合った山友達などと出かけるのは楽しいものです。山友の大切さを改めて認識してしまうのもこの年頃のようです。

 

落石や墜落の危険で神経をすり減らしてしまうアルパインライミングでは信頼のおけるパートナーとロープを組むのが前提です。若い頃、岩登りに訪れた一ノ倉で先行パーティがロープの上と下で大声で言い争いをしていたことがありました。「バカ野郎モタモタすんな!」「うっせー、黙ってろ!」怒号が飛び交い、壁の中でなかったら殴り合いが始まりそうでした。会社などでも大声で怒鳴ることが問題解決の最良の手段とする人がいたりしますが、山ではお互いにかなりの信頼関係が築けていないとこんな怒鳴り合いが原因で大変なことになってしまいそうです。

 

「頂上はやめよう」「こっちをまわろう」などと同行者がいいだした時にいやな思いをした人も多いことと思います。でも、そう自分がいいだした時にあっさりと同意してくればほんとうに気遣いのある大切な山友です。昔の大学山岳部や山岳会では必ずリーダーがいて統制が取れていたので絶対服従に問題はありませんでした。登山グループでこのような権力を持つのは今では客を連れたガイドさんぐらいではないでしょうか。友人とはいえ他人と一緒に好き勝手に山を楽しむのはほんとに難しいものです。

 

しっかりとコミュニケーションがとれて、自分の考えをけして押し付けない、さらに無茶なわがままも聞き入れてくれる、山でも下界でもこういう人がベストなのです。あなたがもし長い間にわたって何十回もいつも同じ気の合う仲間や友人と山行を共にしているなら、そういう最良の山友を得ていることになります。年寄りになっても一人で山に行くのはほんとに稀なことに違いありません。