アウトドアジジ

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半寄生植物

ヤドリギ


冬になると木々の葉が落ちて枝がむき出しになります。鳥の観察や写真撮影には最適の季節です。そうやって裸になった背の高い木々を見上げたりしていると時々まるい緑の茂みが目に入ることがあります。ヤドリギです。

 

こちらではミスルトウと呼ばれていてクリスマスの飾り付けなどに使われます。西洋ではヤドリギには愛を育む力があると信じられています。ずいぶんと若い頃、つき合っていた彼女が「ここの下でキスするのよ」などといって天井に吊り下げられたヤドリギの下まで連れて行かれたことがありました。最近ではジャスティン・ビーバーの「アンダー・ザ・ミサルトウ」というクリスマス・アルバムがあったようで、日本でもポップスを聞く若い人ならヤドリギの下でキスをするこのロマンチックな西洋の習慣を知っているかもしれません。

 

ヤドリギというのは寄生植物で強い生命力があるからこそそういう不思議な力が信じられてきたのかもしれません。実際は光合成も自分で行う半寄生植物なのですが、それにしてもどうしてあんな高い木の上に寄生できるのか不思議でありませんした。今の時代、ネットで探ればあっという間にその回答を得ることができました。

 



ヤドリギには花も咲けば実もなって、鳥が食べた実がフンとして排出され、それが枝木に付着して発芽するそうです。ヤドリギの実は粘着性があって、食べられて排出されてもその性質は変わりません。付着すると寄生根が伸びて親木から水や栄養を吸収し、自らも光合成を行い成長していくのです。どんなに背の高い木の上でも寄生できるのはそういう理由があったのでした。

 



近くの公園で見つけた木には幹の低いところから断続的にヤドリギが成長していました。葉を落としたはずの冬枯れの木が遠目に見ればまるで常緑樹のようでした。西洋ばかりではなく日本にもその生命力をたたえる言い伝えや習慣があったそうで、愛や平和、不老不死など成し得ることの困難な課題に希望を与えてくれる神聖な植物であったようです。

 

*こちらは寄生植物です。

midoriiruka.hatenablog.com