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ネナシカズラ

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ネナシカズラ


 

自宅周辺の野山を歩くと草木に奇妙な植物がからまっているのをよく見かけます。鮮やかなオレンジ褐色ですが、蕎麦やスパゲッティが無造作にモサッと盛られているようにも見えます。ドッダーと呼ばれるネナシカズラの仲間です。

 

ネナシカズラは寄生植物で日本でも見られます。地面から発芽するのですが、寄生が始まるとすぐに根が枯れて根無しとなります。根無しになると宿主になる植物から養分や水分を吸い取り繁殖するとのことです。カリフォルニアのドッダーにも花が咲いて種もできます。寄生するから光合成の機能も必要ないので葉緑素を持たずオレンジ褐色で遠目にも目立つわけです。アメリカ先住民のクミアイ族は毒蜘蛛の毒抜きにも使っていたそうです。また、鮮やかな黄色の草木染めにも使われることもあるそうです。

 

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ドッダーに触れてみるとこれが柔らかくてしなやかなのです。からまっている様子がやはり麺類を連想してしまうし、絶対に食べられそうな気がしてきます。毒があるとはどこにも書いていないのですが、渋味かなんかがあって食べてもきっと不味いものなのでしょう。ちなみにドッダーが主に寄生しているバックウィートという植物の実(種子)はアメリカインディアンの重要な食料源だったそうです。バックウィートといえば蕎麦のことですから当然ですね。

 

こんな不思議な植物はここだけにしかないだろうと思っていたら、実は日本にもネナシカズラとしてあったわけですが、この日本のネナシカズラ外来種としてアメリカにはびこり問題となっている所もあるそうです。逆にアメリカのドッダーが日本ではびこり、これも問題になっているそうです。いつ頃からこの問題が出てきたのかは分かりませんが、世界がどんどん狭くなるグローバリゼーションの影響でしょう。こういう問題もコロナ渦の後は少しは変化が見られるようになるのでしょうか。