アウトドアジジ

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ドングリキツツキ

悲しい運命

 

木の幹や枝に無数の穴を開けてドングリを貯め込むドングリキツツキをご存知でしょうか。こちらではカラスやスズメのように良く見かけるごく一般的な鳥です。木ばかりではなくて家の外壁や公園入り口の木製ゲートまでありとあらゆる場所に穴を開けてドングリを貯め込みます。他の鳥には見られない珍しい習性を持ち合わせています。

 

木の幹や枝に開けられた多くの穴に詰められたドングリは食料の少ない冬に備えてのものですが、他の鳥たちやリスなどにも恰好の貯蔵食料として狙われています。そのためドングリキツツキは穴に詰め込まれたドングリが乾燥して緩くなったりすると、さらにしっかりと口端で叩き込んだり、他の穴に移したりします。穴にきつく埋め込まれたドングリは他の動物たちが取り出すことはできません。たくさんのドングリを安全に確保していくには当然たくさんの穴が必要になってきます。穴の数は増え続け木の幹や枝は穴だらけになってしまいます。

 

 

おびただしい数の穴は長い年月をかけて何世代にわたって開けられたもので、見るも悲惨な状態になっている木も少なくはありません。とはいえ、穴は木の表皮にだけにとどまり木が枯れてしまうことはないとのことです。もっとも枯れた木にも穴は開けられてしまうので、穴で木が枯れてしまったと勘違いもしてしまいます。

 

 

鳥はふつう、雌雄つがいとなったら浮気をしてしまうことはありません。ところがドングリキツツキは一つの巣を複数で分け合って繁殖していくそうです。その相手は同じ家系の親族なのですが、最近のDNA調査で雄だけは親近ではなくてクロスブリードを避けるためにに他の家系の雄となっているそうです。さらに生まれて成長した繁殖能力のある個体のいくつかは繁殖行動は起こさずもっぱら両親の子育てを手伝い、大きなグループとして種の保存をはかっているとのことです。

 

人の場合は親が知らないうちに子供が妊娠してしまったということがありますが、ドングリキツツキの場合は成長しても「あなたは結婚せずに家族を助けなさい」などとかってに決められ悲しい一生をおくることがあるようです。もっとも現代人の場合は他人の圧力というよりもやはり経済的理由が大きな原因ですよね。少子化対策に重婚をとなえる人もいるようですが、ドングリキツツキの生活様式を見習う必要もあるかもしれません (笑)。