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絶滅危惧種

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ニートッド

 

こちらで爬虫類といえばガラガラヘビばかりなのですが、ほんとに、たまーにこういうトカゲに出くわすことがあります。日本ではサバクツノトカゲなどと呼ばれて、一部の爬虫類マニアの間では入手の機会がまれで飼育の難しいトカゲとして知られているようです。こちらではホニートッド(ツノガエル)の愛称があり、いかつい姿とは裏腹に可愛らしいトカゲの印象があります。

 

恐竜の生き残りのようなこの外観でなんで可愛らしいのかというと、それはとてもおとなしい性格だからです。ふつうトカゲの仲間はすばしっこくて日向ぼっこをしてじっとしている時でも近寄ればサッと逃げてしまいます。これだけ近寄って撮影するには結構な望遠レンズが必要です。この写真はふつうに近寄って撮影することができました。ふっくらとしたお腹も愛嬌があってトッドの愛称もカエル似た体型からです。全身の棘はウロコが発達したものですが、体から無駄に水分が蒸発してしまうのを防ぐのに役立っているそうです。

 

こういうおとなしいトカゲこそ必ず天敵が多いわけでしっかりと身を守っていかなければなりません。とりあえずの防護策はまずナマケモノのように動かないことです。確かに砂礫の中でじっとされると見つけるのが難しくなってきます。さらにチョロチョロっと動いてパッと止まったりして敵を困惑させます。体を膨らまさせて全身の棘を逆立てたりします。決定的なのは目から血液を噴射して相手を驚かせます。捕まえて食べてやろうと狙った相手がいきなり目から血を吹き出して自分にかかったらその気も瞬時に失せてしまうことでしょう。噴射された血液にはコヨーテなどが嫌がる化学物質も含まれているそうです。https://www.youtube.com/watch?v=GgB4u6Mgy2M

 

独特の護身術で砂漠の厳しい環境を生き抜いてきたホニートッドですが、近年その数が大幅に減少しているということです。絶滅危惧種指定への動きもでてきています。個体数減少の最大の原因は大好物のアリが激減していることだそうです。上のリンクにもあるようにアリをペロペロと捕食する様子はとても愛嬌があるのですが、餌となるアメリカ在来のアリがヒアリによって減少し、さらに開発によって飼い犬や飼い猫などの天敵が増えてしまったことも原因となっているということです。

 

初めてホニートッドを見つけたときはその外観にちょっと驚いてしまいました。「あっ、可愛い!」といきなり女房に拾い上げられたトカゲは彼女の手の中でずっと動かず静かにしていました。噛みつかれるかもと心配したのですが、おとなしい様子でだんだん可愛く見えてきたのでした。最近はほんとに巡り会う機会が減って残念でなりません。ガラガラヘビはたくさんいるんですけどね。ペットショップに入荷のまれなこのトカゲをなんとか手に入れようとする爬虫類愛好家も少なくないとのことです。この次に遭遇したときは拾い上げたりせずに静かに見守っていてあげたいものです。