アウトドアジジ

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逃げた鳥

メキシコアカボウシインコ


オウムやインコは中南米やオーストラリアなど主に暖かい南国に生息する鳥です。ところがそこまで熱帯的でなければ密林でもないロサンゼルスなど南カリフォルニアの都市部でも多く見られます。朝や夕方に騒がしい鳴き声で群れをなして町中を飛び回っている姿がよく見られるのです。メキシコアカボウシインコで、いわゆる帰化鳥で外来種です。

 

インコとはいってもハトよりは大きな鳥で、英語名では Red-Crowned Parrot とオウムとして扱われています。Parrot とはオウムのことです。インコとオウムはよく混同されてしまいますが、その違いは体の大きさと頭にある冠羽という羽飾りの有無です。またインコは色彩が豊富でオウムは主に単色となります。メキシコアカボウシインコは鮮やかな緑色で頭にちょこんと赤いアクセントが可愛いです。冠羽はないのでやはりインコと呼ぶのが正しいようです。

 

メキシコアカボウシインコは名前のとおりメキシコ原産の鳥なのですが、カリフォルニアで繁殖してしまった原因としてさまざまなうわさ話があります。ペット業者の倉庫が火事になり大量の鳥が放たれたためとか、単純に飼われていたものが逃げ出して繁殖したとかいろいろいろです。現在は輸入禁止となっていますが、以前は自由に取引きができたようで大量のインコがメキシコから持ち込まれました。

 

ロサンゼルスでは11種類の外来のオウムやインコが確認されています。野生のアカボウシインコは原産地のメキシコよりカリフォルニアの方がその数が多いそうで、メキシコでは絶滅危惧種に指定されています。都市部で繁殖してしまった鳥が実は絶滅危惧種に登録されていたとはほんとに驚きです。密林で数多く捉えられペットとして売られ数が減り、それが逃げ出して都市部で繁殖が進んだのでした。

 

日本ではガビチョウやソウシチョウなどの外来の鳥が繁殖してきて、在来種との競合による生態系への影響がたいへん懸念されています。アカボウシインコの場合は絶滅危惧種ということでその保護が望まれているのですが、原産地の自然の中ではなく外来種として都市部という全く異なる環境に順応してしまったのです。都会とはいえ外来種絶滅危惧種でも元来の生態系への影響を懸念すれば判断が難しいところですよね。今日も夕方になって騒がしい鳴き声をたてながらたくさん飛び回ってきました。