アウトドアジジ

2分で読める? アウトドアのアクティビティ、道具、自然に関するブログです。

食用サボテン

f:id:midoriiruka:20220110035916j:plain

貧乏人の野菜


乾燥地帯の代表的な植物といえばサボテンです。種類も豊富で日本では綺麗な花が咲く園芸用として人気がありますが、南カリフォルニアでは郊外の原野にところどころ自生するありきたりの植物です。西部劇などに登場する背の高いサグワロサボテンはこちらではあまり見かけることはなく、この種のサボテンはアリゾナ辺りまで出かけなければよく目にすることはできません。

f:id:midoriiruka:20220110040217j:plain

アリゾナのサグワロサボテン

岩登りの練習によく通ったルビドウ山にはサボテンが密生する場所があって、初めて訪れたときは日本にあるどのサボテン公園よりも圧巻だとした感心したものでした。ある時、ヒスパニックのおばさんがその密生地帯の斜面にいてサボテンの赤い実を摘んでコンビニ袋にたくさん詰めていました。市が管理する自然公園なのでもちろん反則行為なのですが、日本の山菜取りのようなもので管理者が見ていなければ勝手のし放題です。袋に詰めたサボテンの実はもちろん食用として消費されます。

f:id:midoriiruka:20220110035532j:plain

密生するルビドウ山のウチワサボテン

採ってきたサボテンの実はトゲを取り除いたり、皮を剝いだりして食べなければなりませんが栄養価が高く、糖尿病や高脂血症などの予防に効能があるそうです。表面にある小さなトゲはたいへん細かいのですが、細かくても十分に尖っているので刺さるととても気になります。火であぶったりすると簡単に取り除くことができるそうです。凍らせて溶かしてから絞ってジュースにしたりすることもあるそうです。

f:id:midoriiruka:20220110042946j:plain

食用になる赤い実

食用になるこの種のサボテンはプリックリーペア(Pricklypear)とかビーバーの尻尾(Beaver tail) などと呼ばれるウチワサボテンで、実ばかりではなく柔らかい若葉?なども食用になります。スーパーに行けばビン詰めなんかも売っています。メキシコなどでは昔から貧乏人の野菜とされていましたが、今ではその高い栄養価と自然食品ブームで富裕層の間でも人気があります。

 

プリックリーペアには赤や黄色の花が咲いてとても綺麗なのですが、園芸用としてはサボテンよりも同じ多肉植物のサキュレント(Succulent)などの方が人気があります。サキュレントは最近の干ばつなどの影響で、水がなくても枯れない植物として庭先やショッピングセンターなどに植え付けられることが多くなってきました。種類や色も様々でサボテンとはまた違った趣があります。殺風景な砂漠や乾燥地帯に生えるサボテンやサキュラントですがその魅力はつきません。

f:id:midoriiruka:20220110045551j:plain

庭で増えすぎたサキュラント