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山頂に国旗?

国旗掲揚


山頂で必ず見かけるものといえば山名と標高を示した標識ですが、こちらではそこに星条旗がなびいていることがあります。日本の山で日章旗が掲げられていることはあまりないようですが、この国では当然ながらイデオロギーの左右に関わらずこれを不快とする人は皆無です。国旗を通じて自国を愛し敬うことがごく自然に受け入れらています。

 

アメリカの国立公園入口には星条旗がいつでも掲げられていますが、そういう国民的感情からかんがみれば日本を代表する名峰である富士山や槍ヶ岳の頂上、白馬や涸沢の立派な山小屋にも日章旗が掲げられていても不思議ではありません。私はもうだいぶ長い間にわたって日本の山はご無沙汰していますが、若い頃に登った山頂で日章旗が掲げられているのを目にしたことはありませんでした。

 

ヒマラヤ登山などで登頂に成功すれば必ずピッケルに結びつけた日の丸を掲げて記念撮影をするのが当たり前のようです。「日本人が登ったぞ」という喜びの証なのですが、オリンピックでは日の丸を振っても祝日に軒先で国旗を掲げる家はめっきり減ってしまったようです。私が子供の頃は、お正月はもちろん国民の祝日には必ず町内で日の丸を見かけたものです。

 

今では学校での式典や公共の場で国旗掲揚が問題視されることさえあります。国旗や国歌が戦前、戦中の全体主義と重なり合って安心できないからでしょう。すっかり尊厳を失ってしまった日の丸なのですが、国旗がその国の尊い伝統や文化を代表する象徴であることは事実です。国旗を敬う心が失われてしまえば、もはやその国の存続も怪しくなってしまうのです。

 

コロナ渦で一時期、世界中が鎖国状態になってしまいましたが、再び人々が行きかい自由な経済活動が活発化してきました。世界中が便利になって共通化されればすべてが自由に民主的に物事が進むと錯覚しがちです。ところが実際は独自の文化や伝統が無視され、自由が束縛され差別や偏見が横行してしまうのです。ダイバーシティを幅広く受け入れるためには自身の伝統や文化を深く理解してその尊厳を保たなければかないません。日本の山にももっと日の丸がなびいてもよいのではないでしょうか。