アウトドアジジ

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岩稜歩き

スクランブリング

 

登山や山歩きの難易度を決定する要因の一つとして岩場の通過があります。ロープを出して確保しながら登るほどは困難ではないものも間違って足を滑らしたりすれば大事故につながる可能性もある危険な難所です。このような難所が続くルートを敢えてたどることをこちらではスクランブリングと呼びます。岩稜歩きのことです。

 

写真は伝統的なロッククライミングで有名な南カリフォルニアのターキッツ上部の岩稜を登りに行った時のものです。クライミングのメインエリアがあまりに素晴らしいので上部の岩稜をわざわざたどってハイキングで上がれる山頂まで行く人はほとんどいません。そのため踏み跡や鎖もなく、日本の山で見られる〇や✕の印も皆無です。ネットで調べても詳しい情報はあまり見つかりませんでした。岩を攀じったり、急なガレ場を横断したり、藪漕ぎをしたりしました。

 

スクランブリングでたどった岩稜、右の大きなドームがクライミングで有名なターキッツ

スクランブリングの面白さは何といってもルートファインディングです。右に行くか左に行くか、直登するか回り込むか、自分でルートを選ばなければなりません。行き詰まって後戻りすることもあります。自分やパーティの技量を見極めて安全に効率よく高度を稼いでいかなければなりません。ロープや細引き、カラビナなど簡単なクライミング道具、もちろん地形図に磁石やGPSなども必携です。淡々とトレイルをたどる一般的な登山やハイキングとは興奮と楽しさが格段に違います。

 

そういうや興奮や楽しさはちょっと危険なルートを選択しているからというよりは、やはり自分自身でルートファインディングをしながら登っていくからでしょう。確かに高度感を味わいながらを快適に岩稜を登っていくことに醍醐味があるのは事実ですが、それ以上に不安な気持ちを抑えながらも選んだルートの正解を信じて前進するルートファインディングの面白みがあるからこそです。

 

日本では槍穂や剣のような険しい山でも梯子や鎖をつかんで○印を追って行けば迷うことはありません。それはそれで楽しい登山となるのですが、やはり自分で探したルートをたどって登頂すれば満足感が違います。いつでも初登頂者の気分に浸ることができます。スクランブリングには添乗員付きのツアー登山などとは明らかに違う興奮と楽しさがあります。

 

 

*ロープを使うスクランブリング入門の動画です。CCで日本語字幕も出るようです。

www.youtube.com