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ヤクヨウサルビア

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歯磨き用葉っぱ


春の季節になると近所の野原にも小さな花々が咲き始めます。咲く花の種類や量はその年の冬に降った雨の量に影響されます。雨の少ない年でも必ず咲いてくれるのがセージの薄紫の花です。みすぼらしい小さな花ですが、群生した場所では上部がほんのり紫色に染まり心が和みます。

 

セージはハーブや薬草として日本でも知られていますが、こちらでは野原でごく普通に見られます。種類もいくつかあるようですが大概は枯れたような白茶けた緑色の灌木やブッシュで、乾燥した土壌に仕方なく生えているようなどうでも良いような植物です。ところが散歩の途中などに小さな葉をちょっと摘み取って、指先ですりつぶして鼻先にかざしてみると強烈にすごーくいい匂いを味わうことができるのです。

 

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こちらに自生しているセージは食用で栽培されているものとは違いますが、ミント系の植物なのでいい匂いは当然です。料理などにも使われるセージは鶏肉や豚肉と相性が良いのでソーセージなどの香付けにも使われます。セージはもともとサルビアと呼ばれる植物なのですが日本では花のサルビアと混同されてしまうのでセージと呼ぶようになったそうです。サルビアという言葉はラテン語のサルバーレが語源で治癒という意味だそうです。つまり薬効があるのです。そのためヤクヨウサルビアという呼ばれることもあるようです。

 

薬用としてのセージは咳止めのドロップに使われたり、煎じて飲めば腎臓の抗炎症効果も期待でき、脂っこい物を食べすぎた後の消化機能の改善にも効果があるそうです。またセージの葉は歯磨きの代わりにも使われるそうで、葉の表面にある繊毛が歯を清潔に白く保ち、含まれるタンニンが細菌の侵入を防いでくれるそうです。白茶けて見えるのはこの繊毛のせいだったんですね。

 

薬用として調理用としていろいろ使えるセージなので家庭で栽培している人も多いようです。そこらに自生しているセージを採ってきてハーブティーにして飲んでみようかなとも思いますが、情けない現代人はお店で売っていない物だとなぜか安心して口にできないものです。ほんとうはお店で売っている物の方がアブナイのですけどね。 

 

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