アウトドアジジ

2分で読める? アウトドアのアクティビティ、道具、自然に関するブログです。

食用サボテン

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貧乏人の野菜


乾燥地帯の代表的な植物といえばサボテンです。種類も豊富で日本では綺麗な花が咲く園芸用として人気がありますが、南カリフォルニアでは郊外の原野にところどころ自生するありきたりの植物です。西部劇などに登場する背の高いサグワロサボテンはこちらではあまり見かけることはなく、この種のサボテンはアリゾナ辺りまで出かけなければよく目にすることはできません。

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アリゾナのサグワロサボテン

岩登りの練習によく通ったルビドウ山にはサボテンが密生する場所があって、初めて訪れたときは日本にあるどのサボテン公園よりも圧巻だとした感心したものでした。ある時、ヒスパニックのおばさんがその密生地帯の斜面にいてサボテンの赤い実を摘んでコンビニ袋にたくさん詰めていました。市が管理する自然公園なのでもちろん反則行為なのですが、日本の山菜取りのようなもので管理者が見ていなければ勝手のし放題です。袋に詰めたサボテンの実はもちろん食用として消費されます。

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密生するルビドウ山のウチワサボテン

採ってきたサボテンの実はトゲを取り除いたり、皮を剝いだりして食べなければなりませんが栄養価が高く、糖尿病や高脂血症などの予防に効能があるそうです。表面にある小さなトゲはたいへん細かいのですが、細かくても十分に尖っているので刺さるととても気になります。火であぶったりすると簡単に取り除くことができるそうです。凍らせて溶かしてから絞ってジュースにしたりすることもあるそうです。

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食用になる赤い実

食用になるこの種のサボテンはプリックリーペア(Pricklypear)とかビーバーの尻尾(Beaver tail) などと呼ばれるウチワサボテンで、実ばかりではなく柔らかい若葉?なども食用になります。スーパーに行けばビン詰めなんかも売っています。メキシコなどでは昔から貧乏人の野菜とされていましたが、今ではその高い栄養価と自然食品ブームで富裕層の間でも人気があります。

 

プリックリーペアには赤や黄色の花が咲いてとても綺麗なのですが、園芸用としてはサボテンよりも同じ多肉植物のサキュレント(Succulent)などの方が人気があります。サキュレントは最近の干ばつなどの影響で、水がなくても枯れない植物として庭先やショッピングセンターなどに植え付けられることが多くなってきました。種類や色も様々でサボテンとはまた違った趣があります。殺風景な砂漠や乾燥地帯に生えるサボテンやサキュラントですがその魅力はつきません。

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庭で増えすぎたサキュラント

 

山の不審者

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山賊、追い剥ぎ、詐欺師


小学生の頃でした。遠足で初めて山に登った時です。山道で出会う人が気持ちよく挨拶してくるので先生に知っている人なんですかとか聞いてしまいました。町では見知らぬ人に挨拶することはほとんでないので、山に来る人はみんな礼儀正しい良い人なんだと思ったものです。

 

山を登りに来る人は善人ばかり、でもこれだけ多くの人たちが山に来れば不審者や悪者も登ってきます。テント場では寝袋などの山道具が盗まれたり、登山口ではザックがまるごと消えたりしてしまいます。盗難ぐらいならまだしも、強盗傷害、殺人事件も起きています。たまたま山道で出会って同行した人が豹変して暴行され金品を奪われたり、強姦されたりなどということが時々起きています。人目のない山道では都会より危険かもしれません。

 

もうだいぶ昔の話ですが、まだ純情な若者だった頃、飯能市天覧山での出来事です。ひとりで岩登りの練習をしていると、人の好さそうな青年が声をかけてきました。「そこはちょっと難しいですよね」とか「右手の小さいホールドがポイントです」などと、今でいうところのボルダリングのベータを助言してくれます。地元のヌシ(行けばいつもそこにいる精通者)のようで、山岳雑誌にもローカル情報を投稿していて「僕のこと知っていますか」などと聞いてきます。

 

さあ、もう帰ろうという頃になると、飯能には美味しいうどん屋さんがあるので一緒にどうですかと誘ってきました。コシのある確かに美味しいうどんを楽しんで席を立とうとするとトイレから戻ってきた青年が「どうも財布を落としてしまったようなんです。たいへん申し訳ないですが、お勘定お願いできますか」などといってきました。純情な若者だった私は仕方ないなあと思いながらも二人分を払ってお店を出たのでした。後からこの話を友人にすると、この人物は有名人でいつもこうやって人にうどんをたかっているとのことでした。

 

すっかり騙されて腹立たしい思いをしたのはいうまでもありませんが、こういう人なつっこく話しかけてくる不審者には山でも町でも注意が必要なことを勉強させてもらいました。亡くなった私の母は買い物帰りにカートを押して急坂を登っている時、高校生ぐらいの男の子に親切に助けてもらいました。すっかり感謝して家に帰って気づいたら財布が丸ごと抜き取られていました。ほんとうに親切な人に懐疑的になるのは残念なことなのですが、被害を被るのは自分になることを忘れないでおきたいものです。山でもたやすく人を信用してはいけないようですね。特に単独行の時は注意が必要です。

 

 

登山とラジオ体操

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ウォーミングアップ

 

熟年登山者グループが登山口の駐車場などでラジオ体操をしているのを見かけたことがあるかもしれません。息の上がる登山や山歩きにそなえてのウォーミングアップです。安全登山を願う心の準備にも役立ちそうですよね。急激に激しい運動を行わない限りウォームアップは必要ないという研究データもあるようですが、若いころには時間の無駄に思えたラジオ体操がシニア世代になってたいへん有効なエクササイズだと実感しているこの頃です。

 

体育の授業や部活では必ずやったラジオ体操です。忘れていてもすぐに動きを思い起こして運動できます。熟年になってやってみると関節の可動域を広げて柔軟性を高め、ピアノのリズムにのってコーディネイション(調整能力)を改善するのに効果的なことが確認できます。しかも、それら有効なエクササイズが道具も要らずに短時間でいつでも何処でもできることがたいへん良いのです。「よし、今からトレーニングを始めるぞ」などと意気込む必要はまったくなく、ちょっと疲れていても気楽に始められるのです。

 

日本人には馴染みの深いラジオ体操ですが実は起源がアメリカだそうです。日本での放送開始は1928年ということですが、そのお手本となったのがアメリカの保険会社が1925年から始めた広告放送(日本版ウイキペディア)だということです。最近は飛行機内などでも体をほぐすためのストレッチビデオが評判ですが、100年ほども昔から誰でもできる簡単なエクササイズで国民の健康を向上させようと、今では学校や職場まで広く普及させた努力は素晴らしいものです。

 

誰でもできるラジオ体操ですが効果的に行うにはコツが必要となります。例えば体を横に倒し体側を伸ばす運動では手のひらを少し上に向けるとさらに効果が高まります。胴体を回旋させる運動では途中で肩を返したり、脚部や足部に問題のある人はジャンプせずに足首の曲げ伸ばしだけ、勢いをつける反動はなるべく避けるなどの注意も必要となってきます。ラジオ体操は確かに古い時代に考え出された体操なので年寄りには少し厳しい運動も含まれています。そのため椅子に座って行う体操も同時に紹介していることも多いようです。

 

登山や山歩きは基本的にはローインパクトで体に優しいアクティビティです。しかし運動不足の熟年者などは、山歩きを始める前によろけや躓きなどへの対応準備、それ以上に命にかかわる心機能などの確認が重要になってきます。若者にはどうということもないラジオ体操ですが、熟年になれば筋肉をほぐし心拍数を上げて楽しく安全に山を楽しむための確認になります。歳をとるとラジオ体操でも思いのほか心拍数が上がってしまうのを実感してしまうのです。

 

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*表題写真は内容とは関係ありませんがアリゾナのチョイヤと呼ばれるサボテンです。太いトゲの他にも多数の細かいトゲが生えていて、ほんの少し触れただけで大量に刺さってしまい厄介です。細かいので取り去るのもほんとに大変です。

タンブルウィード

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西部劇の枯草


風吹き荒れる荒野を馬に乗ったひとりのカウボーイが帽子をおさえながら進んでいく。いくつかの枯草が転がりながら彼の前を通り過ぎる。西部劇によくでてくる一場面ですよね。風に押されて転がり過ぎる枯草はタンブルウィードと呼ばれる植物です。アメリカ西部にはよく見られる植物で風の強い日などは高速道路の上を転がったり、街角の吹き溜まりにかたまったりしてしまいます。

 

転がってくるタンブルウィードは枯草なので走っている車にぶつかっても大したダメージはないのですが1メートル以上はあたりまえ、車にぶつかりそうになれば思わずブレーキを踏み込んでしまうこともあります。アメリカの小さな子供たちは得体のしれないお化けのようにタンブルウィードを怖がってしまうこともあるようですが、実際は風まかせで転がりまわって種をばら蒔いているのです。

 

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かなりのトゲトゲで触れると痛い


表題の写真は近所のダムの堰堤なのですが、数日前に行った時にはこの堰堤の斜面いっぱいにタンブルウィードが茂っていました。ところが前日の強風でほとんどが飛ばされて転がり落ちてしまいました。(斜面の奥、上の方にはまだ少し残っています)写真のように柵に引っかかったのはほんの一部で、多くが柵を乗り越えて何処かへ飛ばされてしまったようです。タンブルウィードはまん丸い形状をしていて種の準備ができるとちょっとした風でも根元がたやすく外れて転がりだし、転がりながら種をあちこちにばら撒いていくのです。鳥などの手助け無しで自分だけでしっかりと子孫を残していきます。

 

西部劇の一コマに欠かせないタンブルウィードですが、北米固有の在来種と思いきや実はウクライナ原産とされる外来種だそうです。200年も昔に他の種子に紛れて入り込んだものでロシアでも多く見られるためにロシアアザミなどとも呼ばれています。以前、当ブログでもご紹介したブラックマスタードのように物凄い繁殖力です。

 

冬が近づく南カリフォルニアでは乾燥した強風が吹き荒れるサンタアナウインドが大規模山火事の原因となっています。町はずれの原野はタンブルウィードやブラックマスタードなど侵略的外来種のカラカラの枯草におおわれ、ガソリンがそのまま原野に撒かれているような状態です。火のついたタンブルウィードが風にあおられて転がりだしてしまうことを想像するととても恐ろしくなってしまいます。

 

 

 

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マツダCX30

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今時ガソリン車?


CO2問題や5Gの普及で急変しつつある自動車業界です。この時期に新車を購入するにはためらいがあるのも事実ですが、15年乗った燃料食いトヨタハイランダー(クルーガー)を諦めて思い切ってマツダのCX30を購入しました。かなり小型のクロスオーバー車となります。

 

雪道や地道を走ることになる山やスキーのアプローチでは四輪駆動車が便利で、スバル、トヨタの四駆車を乗り継いできました。こちらで生活を始めた当初は荷物がたくさん積めるマツダトヨタピックアップトラックを乗っていましたが、乗り心地では乗用車にかないません。近年ではSUVなど多目的車の選択肢が増えたのですが、先細りのガソリン車やハイブリッド車にするか、発達途上の電動車にするか新たな選択課題が発生しています。もう本当の老人になりかけているし、前車のように十数年以上も運転し続ける訳ではないので長年培われた技術で信頼性の高いガソリン四駆車としました。

 

マツダ車というと以前はフォード傘下にあって少し問題もあったようですが、最近はアメリカでも車の満足度第一番に選ばれて、多くの根強いファンがマツダを支えています。今回購入したCX30は最新第7世代のプラットフォームをベースとしたデザインの美しい車で日本でもたいへん人気があるようです。外観ばかりではなく基本となる走りも素晴らしく、最新の電子安全機能もベースモデルから満載となっています。嬉しい四輪駆動の選択もありアメリカで大人気のスバル車と対等、またはそれ以上のパフォーマンスが期待できます。

 

CO2削減政策とガソリン価格の高騰でガソリン車はますます肩身の狭い状況になってきましたが、原料、生産、廃棄まですべてを考慮すればまだまだ電動車より部があるようです。高い技術が積み上げられたクリーンなガソリン車やディーゼル車は利便性、適応性、信頼性においては現在のところ電動車の比ではありません。

 

持続可能な移動手段として各国の政府が後押しする電動車の普及ですが、マーケットを無視した政治のゴリ押しで広く消費者に受け入れられるとはどうも考えられません。かつてカメラもフィルムからデジタルへと大きな変革を果たしましたが、これは多くの消費者が経済的で便利に使えると判断したためです。町の小さな写真屋さんから世界をリードしたカメラメーカーまで大きな犠牲が払われましたが、実際に商品を使う消費者が選んだ変革の道筋だったのです。電動車の普及もガソリン車をはるかに超える利点を消費者が認めて初めて広く普及することになるでしょう。

 

CO2排出がほんとうに気候変動に大きく影響しているかは別問題として、燃料食いのハイランダーから小型SUVのCX30に乗り換えれば電動車ではなくてもかなりの削減貢献をしていることになります。スキーもそのまま中に入らないほどの小型車ですが、きびきびとカチッとした走りを存分に楽しめます。ちなみにアメリカ仕様車は2.5リッターエンジンで、今年からターボ仕様も選択肢に加わりました。今回購入したのは嬉しい日本製と思いきや残念ながらメキシコ製、メキシコ政府の多国間契約により有利にグローバル化が進められることから新工場を設立して生産を始めたとのことです。

 

 

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*新車のうちにエンジンルームの写真でも撮っておこうとボンネットを開けると中からコロコロと転がり落ちるものがありました。発見したのは石のように乾燥して固まった動物の排泄物。複数個あり誰かが意図的に投げ込んだ物のようです。メキシコの労働者が投げ込んだものか、試乗者がいたずらしたものなのか、コロナで試乗は客のみとなっていたのでその可能性はぬぐい切れません。あるいは本当に動物が侵入して排泄したものか、アメリカでの買い物は常にアブナイので返品サービスが当たり前ですが、車ではそうはいきません。

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バックパック

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使い込まれた道具


アウトドアの遊びでに必ず用意しなければならいのがバックパックやデイパックです。高尾山の日帰りハイクから南アルプスの全山縦走まで、まずこれががなければ話になりません。山通にはザック、一般にはリュックなどと呼ばれているバックパックやデイパックですが長期にわたって同じものを使い倒す人もいれば、頻繁に新しいものを購入して使用している人も多いことでしょう。人それぞれ、道具へのこだわりが目立つのがバックパックやデイパックです。

 

バックパックのスタイルは丈夫な帆布を使った 横長のキスリングからスマートなアッタクザック型に流行が移り、アメリカのエクスターナルフレーム(背負子型)のパック、そして近年はインターナルフレーム型へと変化してきました。年配の人の中にはキスリングをそのまま縦長アタックザック型にしたような神田の山道具屋さんのオリジナルザックを使っていた人も多いのではないでしょうか。大型の縦長ザックはバランスが良くて使い易くキスリングと同様に大量の荷物を収納することができました。

 

現在ではヒップベルトで重さを分散して背負うアメリカ型のパックが主流になりましたが、かつてはショルダーベルトと背中で背負うザックが普通でした。ヒップベルトがなければフィッティングのサイズはどうでも良くて、バックパックにS、M、Lなどのサイズが一般的になったののはつい最近のことです。さらに男性用、女性用と別れ、様々なデザインのバックパックを目にするようになりました。ところが最近は道具の軽量化がブームでサポートフレームのないパッドの薄い簡素な超軽量バックパックが人気です。

 

超軽量パックはいわば昔からの伝統的なアタックザック型と同じで、どう荷物を詰めるかを知らないと使いこなすことができません。しっかりとしたサポートフレームと分厚いパッドがついたバックパックなら荷物をただ放り込めば誰でもすぐに使えるのですがシンプルなアタックザック型ではそうはいきません。荷詰めも簡単で快適なバックパックに慣れてきた人は改めてその技術を学習することになります。軽量化をはかれば犠牲となるものも多くなるのは当然ですよね。

 

何年も使い込んだ道具は使用者がその道具に最も適した使用方法をマスターしているので最大限にその道具の魅力を活用することができることになります。使い込まれた道具とはそいうものに違いありません。新製品に目移りして次々と新調していけばその魅力を自ら開拓する前に使用をやめることになってしまいます。もっとも今の道具はあまりにも特化が進んでいて用途が限定的で、開拓していく余地の少ないものかも知れませんが。

 

頻繁に山に出かける人にとっては消耗の激しいバックパックですが、伝統的なデザインの超軽量パックが再び注目されていることを知れば「やっぱり俺がずっと使ってきたものが一番だ」と古道具と自慢する年配登山愛好家も少なくなないはずです。新製品の魅力を確かめていくことも楽しいですが、自分がこれが一番だと信じる道具を使い倒していくことも大切なようです。そのためには新しい道具も耐久性のある使い込める道具であって欲しいものです。

 

写真は数年前のグレゴーリーアルピニストアルパインルートを登るためのクライミングパックで、フレームやヒップベルトの取り外しが可能でシンプルな軽量パックへと変身させることができます。

 

*過去にもバックパックについて書いていました。

midoriiruka.hatenablog.com

*昔ながらのキスリングがまだ手に入るのでしょうか?

katagiri1914.com

 

 

 

 

 

 

 

 

サマータイム(夏時間)

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秋のつるべ落とし

 

夏が終わり秋が深まってくると心配なのは夕暮れの早さです。夏の間は7時や8時まで余裕で行動できた山登りも、あっという間に日が暮れてあせってしまったことも1回や2回ではないはずです。アメリカではほとんどの州で夏時間の制度が実施されています。こちらではデイライト・セーヴィングなどと呼びますが、その制度のおかげで日本のようなつるべ落としの夕暮れを実感する機会は少ないようです。

 

3月の中頃から始まる夏時間ですが、ハロウィーンが終わる頃には通常時間に戻り、その日から一気に夕方が真っ暗になります。アメリカの連邦政府がデイライト・セーヴィングの制度を承認してそれが始まったのは1918年だということです。不評で2年で終了となりましたが、第二次大戦中に資源節約の目的で復活して現在に至るとのことです。実は日本でも戦後一時期、占領軍によって導入されましたがやはり不評ですぐに廃止となっています。春から夏の長い昼間の時間を有効に使うために始まった夏時間制度ですが、日本では残業時間が増えたり寝不足に陥ったりするということで、制度を経験した私の父なども最悪の愚策といっていたのを思い出します。

 

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日本の夏、朝の5時ぐらいにはすっかり日が昇っていてもまだ街が動き出さないというのは私にはどうももったいない気がしてなりません。夏時間になれば朝5時は6時なので、山に出かける時にも超早起きの必要性もなくなります。働き方改革がしっかりと浸透すれば酒飲みばかりだった退社後の経済活動もぐっと幅が広がることになります。もちろんCO2削減にも大幅貢献することになり、自然破壊のソーラーパネル設置などよりもまず第一に実行すべきことではないでしょうか。

 

最近の住民投票でカリフォルニアでは冬の間もずっと夏時間を維持する法案が通過しました。ずっと夏時間のままだったら晩秋のある日にいきなり夕方が真っ暗になったりしないし、春先に一日だけ睡眠時間を1時間失うことがなくなります。ところがその法案の実行には州議会の賛同が必要なのですがそれが滞っていて、さらにその後に連邦政府の認可が必要なためどうやら廃案の様相が濃くなっているようです。夏時間のこちらで秋が深まってくると朝がだんだんと暗くなってくるのですが、やはり晩秋は秋のつるべ落としで季節の進み具合を感じるのが一番です。